社会福祉法人八王子いちょうの会からのお知らせ

社会福祉法人八王子いちょうの会からのお知らせ
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理事長だよりNo.27
2022-09-20
今月の本 「死ぬとき幸福な人」に共通する7つのこと ホスピス医 小澤竹俊
 
 この本を読んで、私が「余命何年」と宣告されたら、どうなるだろう?と考えました。 私は、やり残したことや心配ごとで、頭の中がいっぱいになり、絶望感に打ちひしがれてしまうでしょう。自暴自棄にもなるかもしれません。もしも気を取り直すことができたら、一日一日がとても貴重に感じるでしょう。残りの時間が少なくなるほど、一日の重さが増すことでしょう。
 この本には、後悔のない人生を送り、ずっと幸せに生きるための心得として、「死ぬとき幸福な人」に共通する7つのことが書かれています。私は、最期に自分の人生が幸福だったと思えれば、幸福だったのだろうと、大雑把な考え方をしていましたが、幸福な人生を送るには、日々のプロセス(過程)が大切で、今日一日を「一日一生」と考え、「7つのこと」を実行して行こうと思います。(山川)
 
(1) 著者が3,000人の患者さんから学んだこと   
 
 私は24年前から緩和ケアの現場で働き始め、今まで3000人以上の患者さんの人生の最終段階に関わってきました。自身の死が目前に迫ったとき、多くの患者さんは、「自分には時間がない」「明日はこないかもしれない」という思いに苦しみます。人は「明日がある」と思っているからこそ、夢や希望を抱くことができます。つまり「明日がない」というのは、究極の絶望なのです。
 患者さんやご家族と接する中で、私もたくさん悩み、苦しみ、多くのことを学んできましたが、Nさんもまた、あまりにも大事なことを、あらためて私に教えてくれました。それは、「人は、人生を終える段階の瞬間まで、輝くことができる」ということです。(中略)  
 患者さんたちは、死を前にして人生を新たにやり直し、心の安らぎと穏やかさ、真の幸せを手に入れるのです。 p.7-8
 
(2) 「死ぬとき幸福な人」」共通する7つのこと
 
 患者さんたちの姿をみて、私は、人がこの世を去る瞬間まで幸福に生きるためには、
 
  ①自分で自分を否定しないこと
  ②いくつになっても、新しい一歩を踏み出すこと
  ③家族や大切な人に、心からの愛情を示すこと
  ④一期一会の出会いに感謝すること
  ⑤今、この瞬間を楽しむこと・・・・・・・・・・・私は、「楽」が足りていないかな?
  ⑥大切なものを他人にゆだねる勇気と覚悟を持つこと
  ⑦今日一日を大切に過ごすこと・・・・・・・・・・大切に過ごすには、どうすればよいか?
 
 が大切なのではないかと思うようになりました。
 この7つを心に留めておくことで、人生においてどれほど思いがけないことが起ころうとも、穏やかに生きることができると、私は信じています。  p.9-10
 
(3) 「人生を幸福にする7つの質問 」(著者作成)  
 
 この質問は、みなさんにこれまでの人生をあらためて振り返っていただき、何らかの発見をしていただければ、と思いを込めて作りました。  
  ①質問に対する答えは、長く書く必要はありません。 短い言葉でかまいませんので、
   心に浮かんだ思いを素直に書き出してみてください。
  ②すべての質問に答え終えたら、回答内容や気づいたことなどを、自分自身や、大切な家族、
   友人などへの手紙という形にまとめてもよいでしょう。
 現在、何らかの悩みを抱えていらっしゃる方、自分自身や自分の人生を肯定できずに苦しんでいらっしゃる方が、強く幸せに生きていく力を得るうえで、この質問が少しでもお役に立てたら、こんなに嬉しいことはありません。
 
【質問1】 これまでの人生で、幸せだと思ったことは何ですか? あなたは、どんな人生であれば「良い人生」だったと思えるで しょうか?
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【質問2】 「やり残している」と感じ、後悔していることを書いてみましょう。そのうえで、誰かにゆだねられることがないか、考えてみてください。
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【質問3】 もし大切な人にメッセージを残すなら、どんなことを伝えたいですか? 人生で強く記憶に残っていること、学んだことなどを書いてみましょう。
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【質問4】 あなたが今、判断に迷っていることを一つ、書いてみてください。「あなたが相談したい相手」は、どのような答えを出すと思いますか?
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【質問 5】 今までの人生を振り返り、誇りに思えることを書いてみま しょう。
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【質問6】 あなたが今、遠慮していること、我慢していることを書いてみましょう。その中で、あなたが遠慮や我慢をやめ、手放せるものはありませんか?
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【質問7】 どのような状況で、人生にどんな感想を抱いて、この世を去りたいですか? 思いつくままに書き込んでみましょう。
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 本書に書かれている「7つのこと」は、私たちの人生を豊かにするために、大切なことです。
また、利用者支援、職場での人間関係、心と身体の健康など、日常活動においても必要なことです。
いざ、実行するとなると、結構むずかしいと思いますが、試してみてはいかがですか?
 
 
■ 前回は、「我慢して生きるほど人生は長くない」という本に書かれていることから、私にとって、興味のあること、気づいたことなどをまとめました。
  Ⅰ. 一度の人生、自分の人生の主役は、自分です。
   自分の人生とは、自分の「物語」のこと。物語の脚
   本を書くのも自分です。自分で書いた物語に納得
   して生きることが大事です。
  Ⅱ. 「自分の人生」(=自分の物語)を生きるには、
   良好な人間関係が必要です。そのためには、自分
   と他人との境界線を意識して、自分の領域を守るこ
   とです
  Ⅲ. 好ましい人間関係とは、「フェア」 ”Fair” (公
   平)な関係です。「フェア」とは、お互いの境界線を
   意識し、各々の領域を尊重し合うことです
  Ⅳ. 自分の領域に他人が侵入してきた時には、しっかり 
   と自分の領域を守ることが大事です。
   但し、「No」の伝え方には、注意が必要です
  Ⅵ. 風通しのよい職場をつくるには、その構成員が「フェア」な人間関係を築く努力が必要です
  •自分のルールで生きることは、大切にしたい人たちと、お互いにラインオーバーしない
  心地よい距離感で、自分の都合も相手の都合も大切にし、譲り合い折り合いながら柔軟に
  つきあうことであり、お互いに自分と相手を守りいたわり合うことです。
  •一方で、「自分は完全に正しい」「自分は完璧だ」と思うことは、自分だけを守ることで
  あり、変化を拒絶することであり、他人との譲り合う可能性をなくします。p.229
                    
 
 3千人以上を看取ってきた医師が見つけた 本当に後悔のない人生をおくりずっと幸せに生きるための心得とは――。 病いや不幸を得たり、大切な人を亡くしたりしたとき、多くの人は「幸せ」とは何かと悩みます。 ですが、たった7つのことに気がつけば、幸福に生き、穏やかな最期を迎えられる。私はそう患者さんから学びました。 それまでどれほど後悔の多い人生を送ってきたとしても重い病気を抱え、「なぜ自分だけが」と言いようのない苦しみを抱えているとしても。 人は、どんな状況からでも人生をやり直せ、新しい一歩を踏み出せるのだと彼らが教えてくれたのです。 死に直面してですら、幸せだと思える人たちに共通する7つのこと。 この世を去って行った患者さん、一人ひとりが教えてくれた「幸福な人生の過ごし方」をきっかけにみなさんが今日から少しでも幸せを手にしていただければ望外の喜びです。
 
 社会福祉法人 八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.26
2022-08-20
 
今月の本 『我慢して生きるほど人生は長くない』(鈴木裕介著 心療内科医)
 
「我慢して生きるほど人生は長くない」このタイトルに引かれました。
この本には、著者の人として、また、心療内科医としての体験と知見に基づいた、「生き方」に関する実践的なアドバイスが書かれています。
人生はたった一度。「自分の人生」を生きることが大切で、そのためには、まず、人間関係を見直すことと、著者は書いています。
私は、「フェアな人間関係」という言葉に興味を持ちました。それは、自他ともに幸福になるためのキーワードだと思います。
※今回は文字数が多くなりましたが、それでもわかりにくい点が多いと思います。もっと知りたい方、関心のある方には、この本をお貸しします。
 
 
一度の人生、自分の人生の主役は、自分です。自分の人生とは、自分の「物語」のこと。物語の脚本を書くのも自分です。自分で書いた物語に納得して生きることが大事です。
 
  • 自分の物語に納得することは、自分を肯定することとほぼ同義語です。
  • ありのままの自分の人生を「これでいい」と肯定できないと、自分以外の誰かの価値感やルールを中心に生きざる得ません。
  • 私が暫定的に定義している「幸せな状態」とは、「自分が紡いだ自分の物語に自ら疑念や欺瞞を   抱くことなく、心から納得し、その物語を全力でコミットできること」ではないかと思っています。p.8
 
「自分の人生」(=自分の物語)を生きるには、良好な人間関係が必要です。そのためには、自分と他人との境界線を意識して、自分の領域を守ることです
 
  • 人間関係のあり方やルールを見直し、好ましい人間関係を増やしていく上で、(中略) 心がけてほしいことがあります。それは、「自分と他人の間の境界線をきちんと意識し、守る」ことです。
  • まず、人間関係のあり方を見直すことです。人生において、もっとも重要でもっとも厄介なものは、人間関係だからです。p.29
  • あなたの心(思考)や身体、生活、人生などは、あなたが責任をもって守るべき領域です。
  • 一方、家族や友人など、どれほど親しい間柄であっても、他人の心や身体、生活、人生などは、その人が責任を持って守るべき領域です。p.33
 
好ましい人間関係とは、「フェア」 ”Fair” (公平)な関係です。「フェア」とは、お互いの境界線を意識し、各々の領域を尊重し合うことです
 
  • 好ましい人間関係は、とにかく公平(フェア)で穏やかです。
  • 価値観を一方的に押し付けられることも、ミスや欠点を過剰に責められることも、片方だけが損をするような不公平な取引を持ちかけられることもありません。p.30
 
自分の領域に他人が侵入してきた時には、しっかりと自分の領域を守ることが大事です。但し、「No」の伝え方には、注意が必要です
 
  • 境界線が正しく機能している人、他人によって境界線を侵害された(それを私は「ラインオーバー」と呼んでいます)ときに、きちんと対処できる人の心の中や生活、人生は、自然と、その人にとって「良いもの」「快いもの」を中心に構成されるようになります。p.37 
  • そもそも、どういう状態が「ラインオーバー」なのかわからない場合は、自分の「快・不快」の感覚や、相手とのやりとりの後に感じる「もやもや」とした気持ちをに注目するといいかもしれません。p.45
  • 一度、自分がもやもやしたり、不快に感じたりした事柄について、率直かつ客観的な意見を言ってくれそうな、信頼できる第三者に相談してみましょう。p.58
  • 自分と他人の間の境界線を意識し、自分からラインオーバーしないこと、相手からラインオーバーされたときにはきちんと「No」をつきつけ、自分の領域を守ることが必要です。p.53
 
風通しのよい職場をつくるには、その構成員が「フェア」な人間関係を築く努力が必要です
 
  • 大事なことは、目指すゴールが「お互いにとってよりよい状況」であるという点です。p.80
  • あなたと上司、あなたと同僚も、互いの利益、互いの幸福のために、フェアに時間や労働力、能力、アイディアなどをトレードし合う関係にあるべきです。それこそが健全で公平な人間関係だと、私は思います。p.103
  • 自分のルールで生きることは、決して「他人のことなどおかまいなしに、わがまま放題にふるまい、すべてを自分の思い通りにすることではありません。自分のルールを振りかざし、周りに自分勝手な要求ばかりつきつけ、他人に我慢を強いるのは、他人の領域へのラインオーバーです。
  • あなたが自分ルールで生きるために、他の人が自分のルールで生きるのを妨げてはいけません。 お互いが、自他の境界線、自分の領域と他人の領域を尊重し合い、公平な関係性を保とうと努力する。それは、全員自分のルールで生きていくうえで、とても大事なマナーですp.154
  • 自分のルールで生きることは、大切にしたい人たちと、お互いにラインオーバーしない心地よい距離感で、自分の都合も相手の都合も大切にし、譲り合い折り合いながら柔軟につきあうことであり、お互いに自分と相手を守りいたわり合うことです。
  • 一方で、「自分は完全に正しい」「自分は完璧だ」と思うことは、自分だけを守ることであり、変化を拒絶することであり、他人との譲り合う可能性をなくします。p.229
 ★自分の人生を生きる!言うは易く、行うは難し
 
中堅研修報告書を読んで
 
提出された「中堅研修報告書」を読みました。前向きに受講されたことが伝わって来ました。考える機会や気づきを得ることができました。紙面の制約上、本の一部を掲載します。
なお、目を引いた箇所に下線を引きました。
 
今回研修で、コミュニケーションのスキルアップとして、「アサーション」というバランスの良い話し方や態度についてとても共感を持ちながら聞きました。
日頃の支援の中で、私は、このような会話を意識し、意図的に使うことがあります。ただ全ての会話において、できているわけではありません。日々の声掛けの中で反省すべき点も、研修の中でいくつも浮かんできました。少しずつでも日々の声掛けに活かしていきたいと思います。
★ 人間性のあるリーダーをめざしてというお話の中で「リーダーの実践」~重要な声掛けで、「ちょっといいですか?」という話を聞き、これまで何か悩んだりしている人たちは、皆、必ずこの言葉を言っていたな・・・と。講義でもあったように多忙時でもこの言葉の聞き逃さず、後にせず受け止めていきたいと思います。
 
 日頃の「声掛け」は大事です。メンバーから発せられた言葉を感度よくキャッチしたいと思います。特に多忙の時!
 
福祉は人と密に接する仕事であり、相手に与える印象は本当に大事だと日々の支援で実感しています。。態度や傾聴と伝え方、コミュニケーション。相手にどのように映っているか、どのように伝わっているかを想像する。
★支援者側の自己満足だとか、お互い様を忘れてどちらかの一方通行にならないように。そして、利用者皆様はそれぞれの個性や日々に変化や成長もあります。その内面をしっかり見つめることを怠らずに信頼関係を築き、またそれを継続していきたいです。
信頼関係は、利用者に対してのみではなく、職員同士でも同様だなと感じています。今回の研修で学んだことをスキルとしてというよりも自然に湧き出るようになれば、さらに理想的です。
 
 相手の視点に立って、客観的に自己評価すること、利用者同様、職員同士もと信頼関係が、大事なことと思います。
 
支援中、何気なく腕を組んでしまうことがある。(中略)支援者が自らの癖に気付くことが大事であると痛感した。
★ 心地よい「言葉づかい」はお互いに気を付けていくことが重要であり、必要である。逆に気を遣い過ぎると言葉が出ず、上手にコミュニケーションを心がけることに苦痛を感じてしまう人もいると思う。お互いに気持ちを込めて接することで、会話を楽しめる関係性を築いていきたい。
 
 良好な人間関係に「言葉づかい」「気遣い」は大事です。但し、行き過ぎて、疲れないように、自然体でありたいです。
 
ストレスは誰しも感じることである。日頃から意識的にストレスを発散する習慣を身に着けるべきかもしれない。
ストレスの原因となる事柄をたとえ小さな事でも書き留め、それを発散させるために何をしたいのか書き出す。
 
 良い考えだと思います。悩みや問題を文字にすることで、思考を「外在化」し、客観的に考えられるようになります。
 
内容は、以前の研修でも聞いたことがあったことだったが、改めて意識し直すいい機会になった。
だが、「そうだ、そうだった。」と思い出して意識し直すことが研修の成果となってはいけない。研修の成果は、実際の言動、職場での生活、そして支援に表れて来なければいけない。
日々忘れずに、常に意識して実践していくために、毎日、一日の自分を振り返る時間を設けたい。(中略)それを職場にいるうちにしよう。夕方のミーティングで話し合うことは、ほとんど利用者のことに限られているが、そこで自分のその日の言動、支援について思うことがあれば、言い、仲間に助言をもらう、ということをしてみようかと思う。それが広がって(夕方のミーティング時にそのための時間がたくさんれないだろうが)職員、互いの言動、支援についても話し合い、反省し合い、高め合い・・・と言うことができていけるといいなと思う。
 
 研修へのしっかりした取組姿勢がよいと思います。その日の内に振り返り、職員みんなとシェアし、高め合う。
 
何気ない行動ひとつが周りを不快にさせたり、誤解を与えたりすることにもなることは、忘れずにいたい。特に腕組みは、昔から癖になっていてよくやってしまうので気をつけたい。
仕事上、ある程度他者との関係ができてくると、親しみを込めてフランクな言動も出てくるかもしれないが、あくまでも「他者」と接しているという意識を忘れてはいけない。利用者・職員ともに家族ではなく、信頼関係が築かれたとしても、しっかりと一線を引いた関わりを維持していくことで、自分と周囲との関係を客観的に確認できる状態でいることが大切であると思う。
★ 人によって価値や感覚の違いはあっても当然で、違いがあるからこそ多様な人間や社会が生まれて存在していくことは言うまでもない。
★様々な報告や意見が耳に入ってくるが、自分の価値観だけで話を突っぱねたり、否定することは、できるだけしないよう心掛けている。とは言え、相手の主張を全ての飲むことも正しい判断とは限らず、いかに相手の気持ちを受け止め、こちらの意見にも納得させられるかという視点がコミュニケーションでは必要になってくる。
★「人を変える」ことは限りなく不可能に近く、果てしない労力が必要である。ともすれば、考えを変えさせようと思った相手でなく、自分自身が潰れてしまうことにもつながる危険な行為だと思う。相手を直接変えようとすることではなく、自分が変わっていかなくてはと思わせる、納得させられる環境づくりをしていくことが求められているのだと感じた。
 
 自分と他人の領域の境界線を認識した上で、相互に尊重し合うこと、「フェア」公平な人間関係が大事です。また、コミュニケーションは、相互に理解し合うために必要です。
 
 
今月のことば: 森 英恵さん
「自分の人生は、自分でデザインしたい」
 
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.25
2022-07-20
 
今期の「経営指針」について
 
基本理念:
「愛する幸せ、愛される幸せ」 があります。この理念を実現して行く上で、法人が進むべき方向を示そうと、経営指針を定めました。
 
★皆さんに「経営指針」をご理解いただき、共有したいと思います。ご意見や感想をお聞かせください。
 
■支援員と利用者との関係
利用者の幸せは、支援員の幸せ
「支援してあげるでもなく、支援してもらう」でもない、上下も境界線もない、双方向の関係で、片方だけ幸せはなく、双方が幸せになるべきです。

利用者あっての支援員
利用者がいるから、支援員が存在する。
利用者への感謝の気持ちと謙虚な心が大切だと思います。

支援するのは、支援員
支援員がいるから、利用者は支援を受けられる。利用者に最善の支援を提供するには、支援員が安定した、ハッピーな状態で支援に当たることが大事だと思います。
 
■経営指針
全職員の物心両面の幸福を追求し、最良のチームワークで利用者にとって最善の支援サービスを提供する。
 
■経営指針を実行する上での重要事項
★ 職員の皆さんが「自分たちの法人や事業所、職場は自分たちで良くする」といった、 自主性・主体性と参画意識を伸ばすこと。
幸福は与えられるのではなく、努力してつかむもの。サンタクロースは待っていても、やって来ません。
★「利用者にとって、もっとよい支援方法はないだろうか」とあくなき探求心を持ち続け、日常的に支援員同士がざっくばらんに話し合えるチームワークを高めること。風通しのよい職場をつくること。
★「いちょうの会で働いてよかった」
と職員のみなさんが心の底から思える ような法人になること。1日でも長く、
元気に、楽しく働いてもらいたいと思います
 
IBM「社員を大事にする」ということ
★稲盛和夫著「京セラフィロソフィ」 p377 より
IBMの社是には「社員を大事にする」というものがあるそうです。確かに、アメリカの会社でありながら、IBMには日本と同じように長く勤める人が多いと聞きます。
IBMの社是の説明に次のような たとえ話が出てくるそうです。

ある北国の湖の畔に、心優しい老人が住んでいました。湖には毎年、野ガモの群れが飛んできて、冬を過ごします。優しい老人はいつとはなしに、湖に集まる野ガモたちに餌を与えるようになりました。野ガモは水辺に寄ってきては老人がくれる餌を喜んで食べていました。来る年も来る年も老人は餌をやり続け、野ガモもその老人からもらう餌を越冬の糧とするようになりました。
ある年もまた、野ガモの群れがその湖にやってきました。いつものように餌をもらいに水辺に寄ってきますが、老人はいつまでたっても現われません。毎日、水辺に寄って行っては待ち続けるのですが、やはり老人は現われません。老人は、すでに亡くなっていたのです。
その年、寒波が襲来し、湖が凍結してしまいました。老人が現われるのをひたすら待ち続け、自分たちで餌を捕ることを忘れてしまった野ガモたちは、やがて皆餓死してしまったのです。

「IBMではこのような社員の育て方は しません」と書かれているそうです。
強靭で柔軟な組織になるためには、構成員が自主性・自発性を持った自立した人間の集合体であることが肝要だと思います。
残念ながら、野ガモは、「心優しい」老人の親切心から、自力で餌を取ることを忘れてしまいました。 上記の話を支援や支援員と利用者の関係に置き換えるとどうなるでしょうか?
真の自立支援、真の愛情、やさしさとは 何でしょうか?
 
 
今月の一言
「ありがとう」と「すみません」
「すみません」ではなく、「ありがとう」
と言えるように心がける。~虹Sさん
※人から親切にされたとき、「すみません」
と言うよりも「ありがとう」の方が 強く感謝の気持ちが伝わると思います。
 
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.24
2022-06-20
■今月のことば:
「どんな人でもこの世に生を受けたかぎりは、幸せになる権利があります。それどころか、幸せになることが私たちの主たる義務であろうとすら思っています。」
(稲盛和夫著「心」より)
 ※京セラ・第2電電(現KDDI)創業者、公益財団法人稲盛財団理事長、日本航空名誉会長
 
★障害は、持っている人の責任ではありません。私たちが障害者の不自由さや不便さを補うことは、「人」として当然のことと、私は、考えています。

■私たちの仕事は、利用者が幸せになるために支援することです。仕事を通じて、私たちも人として成長できると思います。誇れる仕事です。私たちが、支援してあげるでもなく、利用者が支援してもらうでもない、上下も境目もない、双方向の関係です。
 
★支援員と利用者の関係は、
「利用者の幸せは、職員の幸せ」
「利用者がいて、職員がいる」
「支援するのは、職員」

★利用者が幸せになるためには、まずは、支援員も幸せで、安定した状態でいる必要があります。
 
■当法人の経営理念:
全職員の物心両面の幸福を追求し、利用者にとって最善の支援サービスを提供する。
★特に、私が大事にしたいことは、「自分たちの法人及び事業所、職場は、自分たちで良くする」といった、職員一人ひとりの自主性と参画意識です。自主性を持った職員の皆さんが事業活動に積極的に参加する、「全員参加」型の法人経営をめざしたいと考えています。
 
■めざすべき方向:
全職員が、チームワーク力を高め、常によりよい支援サービスを探求します。
全職員が生き生きと楽しく働ける職場をつくります。
法人・事業所が、健全に成長し、発展します。
 
<重点方針>
職員:一人ひとりが自主性と自発性を伸ばし、 個々の職員の力を強くします。
職員間:チームワーク力を高めます。
事業所・職場:風通しの良い職場、個々の能力を発揮しやすい職場をつくります。
全員参加による事業活動を推し進めます。
「オールいちょうの会」意識で、法人全体の総合力、事業所間の相乗効果を高めます。

■会議の進め方
会議とは、英語でも”Meeting”といいます。「会って、議題について話し合う」ことです。一方的な伝達だけなら、会議でなくてもよいです。
★効果的で内容の濃い会議をするためには、
進行役は、事前に議題を出席者に知らせる。
出席者は、事前に議題を検討し、意見や提案をまとめる。
会議では、出席者は、活発に意見やアイディア、知恵を出し合い、意見交換する。
進行役は、特定の人に発言が偏らず、出席者全員が活発に発言できるよう、配慮します。
会議は他者を論破するところでも、論争するところでもありません。建設的な心構えが重要です。
 
<会議のルール>
他者の発言を否定しない。自分の意見を押し付けない。
他者の意見にうなづき、肯定する。
建設的な意見やアイディアを出す。

★支援に関する会議の場合、「利用者にとって、何がベストか」、「その意見が利用者のためになっているか」など、関係者全員で確認し合います。
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.22
2022-04-20
4月1日により、新しい年度が始まりました。皆さん、今年度もよろしくお願いします。
 
☀「三日坊主」とか「絵に描いた餅」とか、言いますが、みなさんは、目標や計画はどのように立てていますか? また、うまく実現できていますか? 私の場合は、途中でギブアップして、続けておけばよかったと後悔したりすることがあります。 「小さな習慣」~目標は、ばかばかしいぐらい小さくしろ! という本を5年ほど前に買って、一度読みました。この本がずっと印象に残っていましたので、改めて読み返してみました。今月は「小さな習慣」について、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
 
✿「小さな習慣」とは、毎日これだけはやると目標を決めて必ず実行する前向きな行動。“Smaller Habits, Bigger Results” 目標は、小さいほど、より大きな成果が出る。小さい目標なので、☆ほとんど努力する必要がない。☆継続するにも困難を感じない。☆否定的な感情も生まれない。☆どんなに疲れていてもできる。小さ過ぎて失敗すらできないということです。
著者の3つの小さな習慣は、毎日、①「腕立て伏せ1回」 ②「50字の文章を書く」③「本を2ページ読む」です。(冗談ではないのです。)
 
❖「小さな習慣」実行の9ステップ
1.リストアップ:身につけたい習慣をざっと、リストアップする。
2.プラン
①1週間プラン(1つの目標を1週間試し、実行するかどうか決定)
②単独プラン(目標1個)
③複数プラン(目標2~3個)
3. 時間:全部合わせても10分以内に終わる。
4.「小さな習慣」の候補が努力に値するかどうか、掘り下げる。 「なぜその習慣を選ぶのか?」その理由を掘り下げる。
5.行動開始の合図:①時間ベース(例)12時~18時、②行動ベース(例)夕食後 ③自由ベース(例)特定の開始合図を決めない、一日の好きな時間に行う、就寝時刻を一日の終わりと見なす。 ※それぞれの「小さな習慣」に、特定の開始合図を決める。
6.毎日、進行状況を書き留める:大きなカレンダーに、小さな習慣の進行状況と成果を書き込み、よく目につく場所に貼っておく。
7.目標は限りなく小さく:小さく始めることで、実行しやすくする。
①意志の力を強化する。
②常に進歩が見られる。
③意志の力を消耗させない。⇒本当の習慣につながる。
8.スケジュールを着実にこなし、期待しすぎない:できたから「もっとやれる」といって、安易に目標を大きくしない。そのまま続行する。
9.習慣になる兆しを見逃さない:「兆候」については、別に説明します。
 
⚾今、私が考えている「小さな習慣」候補
・椅子から片足立ち⇒左右1回
・背筋を伸ばす⇒ 1回
・よく噛んで食べる⇒20回
・本を読む⇒ 2ページ
・NHKラジオ英語番組を聞く⇒ 1回
・パット ⇒10回
・素振り⇒10回
・速く歩く⇒1分
・不要なものを片付ける⇒1個
・自転車で坂道越え⇒週1回
※上から3個選ぶ
 
⦿一緒に試してみませんか!
著者は、3つの「小さな習慣」①「腕立て伏せ1回」②「50字の文章を書く」③「本を2ページ読む」で人生が変わったとのことです。私は、「小さな習慣」で、新しい世界が広がるような予感がします。また、「小さな習慣」に可能性も感じます。例えば、利用者さんへの支援にも役立つと思います。利用者さんが「小さな習慣」を身につければ、できることも増えるでしょう。お子さんの勉強にも役立つでしょう。
失敗しようもない「小さな習慣」というがいいです。100%成功するということです。 「千里の道も一歩から」というように、物事はどんなことでも初めの一歩から始まります。 「塵も積もれば山となる」となるという言葉もあります。
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.20
2022-02-20
「冬季オリンピックから」
 
冬季オリンピックが閉幕しました。選手たちは、何年間も苦難に耐え、努力を積み重ね、4年に1度の大真剣勝負に臨みました。満足の行く結果であれば喜びもひとしおでしょうが、悔しい結果の方が圧倒的に多いでしょう。悲喜こもごものドラマやハプニングについつい引き込まれました。 印象に残ったことの中から、2つほどお伝えします。
 
☀ 同じ「銀」でも違う!「銀」
スピードスケートの高木美帆選手は、5種目に出場し、1500㍍、500㍍、団体追い抜きで銀メダル、1000㍍で金メダルを獲得しました。インタービューの中で、1500㍍は、自分の中では本命の種目で金メダルを狙いに行ったが銀で悔しかった。一方、500㍍は、挑戦者のつもりで臨んだので、銀が取れてよかったとのこと。同じ選手で同じメダルの色でも、気持ちの持ち方、心のあり様、期待感などで感じ方がずいぶん違うのだと改めて思いました。
 
☂☃ 「残念」「無念」
スキージャンプ混合団体で、高梨沙羅選手が「スーツ規定違反」で失格しました。何ともすっきりしない、つまらない結末でした。抜き打ち検査というのは、意図的で作為的な要素が入り、不公平になる。検査するなら、全員すべきである。高梨選手は、さぞかし無念で辛かったであろう。早く立ち直って、無念を晴らしてほしいです。
 
■ 「人は話し方が9割」 を読みました。 ※以下、本書 p.33~p.36から引用します。
♥話す力は、「スキル」より「メンタル」
ほとんどの人が、話すのが苦手なのではなく、話せるというメンタル状態に持っていくことが苦手なだけで、「否定のない空間」に身をおくと誰でも話せるようになる。人は自分を肯定してくれる人を肯定するようにできています。そこであなたが相手を否定しなければ、相手もあなたを否定しなくなっていきます。「相互全肯定」の状態です。
 
♣✿普通の人が簡単に話せるようになる「3つのコツ」
➀否定しない
否定発言をしたら退場のルール。 大切なのは、意見や感想がどんどん出てくる場 にすることです。それにはまず質より数重要です。とにかく発言すること。前向きであればすべてオッケーというルールをあらかじめ設定しておきます。

➁笑顔でうなづく
うなづきですから、ただ首をたてに振るだけですが、人間関係において、この習慣を身に着けると、かなり役立ちます。何かを人前で発表する時は、誰でも緊張します。しかしその中に、うなづきながら聞いてくれる人がいたら、人は自然と話せるようになります。

➂プラストーク
前向きな話は、人を元気にします。逆に、後ろ向き、否定的な話は、自分自身 だけでなく、聞く人のエネルギーも下げてしまいます。「今の現状を良くしていこう」といった、プラストーク、「明るい言葉が明るい空気を作っていきます。」「否定しない」「うなづく」「プラストーク」の3つで、話し方は劇的にうまくなる。
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.18
2021-12-20
全体研修(権利擁護と虐待防止) 研修報告書を読んで
 
職員からの全体研修に関する研修報告書を精読しました。それぞれが支援員として、真摯に支援に向き合っているという想いが伝わって来て、大変参考になりました。ありがとうございました。その中から、10件を紹介します。
※文中の下線と★は、執筆者が付記しました。
 
①今後、現在の仕事を続けていく上で、自分がこれから身につけねばならないスキルが明確になった。それは、自閉症の利用者への接し方で、各々の障害特性を理解し、得意な部分を生活に活用し、苦手な部分へ寄り添うことが非常に大切であるということ。今まで、何となく判ったつもりになって利用者に接してきたが、自分の自己満足であったのだと思う。今後は、各々の利用者の特性を把握し、「強み」と「弱み」の両面を整理し、「強み」は支援に生かし、「弱み」は自分が配慮する。さしあたって、利用者毎に、①社会性の特性、②コミュニケーション特性、③想像力の特性、④感性の特性に関し、整理していこうと考えている。
★日頃から支援への問題意識が高い人は、研修においても、沢山のことを吸収できるのだと思います。
 
②音に対して敏感で、騒々しい所にいることが苦痛に感じる人に自分だけのスペースを用意する、物的な支援は目に見えるもので、目に見えない個性を伸ばす支援は、根気よく、繰り返し継続的に行うことで伸びていくものだと思います。(中略)障害特性の弱みに目を向けるのではなく、強みに目を向けることによって、支援自体が楽しく、明るいものになっていけばと思います。
★目に見える支援と目に見えない個性を伸ばす支援。強みに目をむけ、明るく楽しい支援を実践する。
 
③利用者さんの障害特性は様々である。我々(定型発達者)と障害者との違いや差を埋めることにどうしても目が行きがちで、ともすればその個性をつぶすことにもなり得る。(中略) 認知や理解の違いはそれ自体が特性であり、能力の優劣に結びつくものではない。利用者さんを支援者の感覚で「普通に近づけようとする」行為は虐待になる可能性がある。(中略) 我々に得手不得手があるように利用者さんの障害特性にも強みと弱みがある。その両面を理解することが。「合理的配慮」である。弱みを矯正し、排除しようとするだけでは、真に利用者さんを理解し、適切な支援につなげることはできない。相手がどんな人でどんな考えを持っているのか知ることが、利用者さんの抱えている困難さに気付く支援の向上の第一歩だと感じた。
★まずは、利用者さんを知ること。利用者への関心、努力を継続することが大事であると思います。

④「職員がいないとできない活動があるとしたら、職員がいなくてもできる活動になるように目標を設定する」という(講師の)考え方に対しても重要な視点だと思うと同時に、(中略) 利用さんのライフステージに合わせて柔軟な考えを持ち、支援者側が「正解」と思うような支援ではなく、利用者さん側にとっての「正解」になるべく近づけるような合理的な配慮が出来る職員になる努力を続けて行こうと改めて思った。
★職員がいなくてもできる活動とは、自立を促す支援のことで、利用者の成長と支援の質向上に繋がります。また、その結果、時間的な余裕も生まれます。利用者にとっての「正解」とは、重要な命題だと思います。
 
⑤健常者にとって、利用者さんたちが見えている世界、聴こえている音、感覚を体験することも、想像することも難しいです。でも長い時間一緒にいると、利用者さんのちょっとした表情、今笑った、今怒った、といった変化から「何に反応したか?」また、ずっと観察していると、「ああ、こんなときに喜ぶんだ」、「こういうのは嫌なんだ」と、気付いてくる。そういった反応を細かく感じ取って、利用者さんたちが生きやすいように心がけたいと思います。(中略) 他の職員さんたちの感じ方、「こう思ったのでは?」「これに反応したのでは?」という意見を聞くのはとてもおもしろいです。みんな感じ方が違うから、職員も反応するポイントはそれぞれで、そこも知りながら利用者を理解していくのはおもしろいです。
★利用者を観察することにより、細かな反応に気付く。発見したことや感じたこと、支援のし方などを話し合い、共有しながら、支援員間で、利用者への理解を深めて行く。それを楽しいことと思えるのがすばらしい。
 
⑥(折り紙の話から)視覚情報の大切さを改めて感じました。袋作業の口板並べの際に、板の端に線を引いた物を使用している利用者さんを見て、別の利用者さんにも活用できると思い、「この線に合わせて口板を並べていって下さい」と、伝えたら横についていなくても、線からずれたときに自分で調整して並べていて、いつもより間隔を修正する部分がかなり少なくなった。今後は、他の場面でも絵や写真、動画等を使用し、より分かりやすく視覚から伝えていきたいと思いました。
★「横についていなくても」できたことは、すばらしいことです。日常活動で発見したことや気づいたことを他の利用者に応用したり、転用したりすることは、利用者の成長や支援員の技能向上、さらには、業務改善にもつながると思います。こうした日頃の積み重ねが大切であると思います。
 
⑦(身体拘束に関連して)事業所内等で話し合いしやすい環境づくりが重要であると強く感じた。(中略)利用者と一緒に働く仲間たちを守るためにも気になるところは、声をかけ合える職場にしていきたいと思う。福祉人として正しい知識を身に着ける裏付けを理解していくことで、正しい判断ができるよう努めていきたい。ただ、「それはダメ」と伝える支援員」でなく、」「こういう理由がある」、「こういう風なやり方もある」と言うことのできる支援員でありたいと思った。
★話やすい職場環境づくりは、全ての基本です。「福祉人」としての心構えが伝わってきます。
 
職員間で、何でも話ができる人間関係を築いていく雰囲気作りも重要だと思います。疑問に感じた時は、指摘や非難の言葉にならないように十分気を付けて、お互いに意見や悩みについて話をし、支援の環境等について共有し、支援のあり方等の話し合いができる職場にしていきたいと思います。虐待防止については、利用者さんと関わるすべての職種の方々が参加することで、職場全体の意識向上に繋がっていくと思いますので、続けて欲しいです。
★職員間で何でも話し合える人間関係と、職場全体で支援して行くという意識を高めることは重要です。
 
自分が感じた事や疑問に思った事は、先輩の職員の方に聞いたり、いろいろな角度から見方を変えたり、支援の幅を広げていくことを今後も取り組んでいきたいと思います。(中略)職員の方々とも力を合わせながらチームワークを大切にし、よりよい支援ができればと思います。
★職員間の協力と連携、チームワークは、仕事をして行く上で、基本の基本です。
 
⑩自閉傾向の強い利用者様と一緒に回転ずしに行ったとき、普段は自分の意見を伝えたり、自己決定したりすることが苦手な方ですが、タッチパネルの操作方法を覚えるとお一人で好きな物を好きなタイミングで注文されていました。障害をお持ちの方に有効なツールと利便性を感じた機会でした。(中略)既存の知識に依存せず、新しいものを取り入れていくことも必要だと感じました。
★デジタル社会が広がりますと、障害福祉の支援現場でもIT機器の活用が益々重要になります。
 

今回提出された研修報告書では、職員間の話し合い、職場環境づくり、チームワークに関連した意見が、目立ちました。
支援を行って行く上で、チームワークが大事だという意識、認識が高くなってきたということで、すばらしいです。
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.17
2021-11-24
イラッとしたら、ナイフ、フォーク、それともスプーンにしますか?
 
◆読売新聞の人生案内の回答者の野村総一郎氏が書いた本のタイトルに興味を持ちました。
人生に、上下も、勝ち負けもありません
精神科医が教える老子の言葉 その本の中から、アンガーマネジメントに関する一節を抜粋し、紹介します。
 
「イラっとしたら、相手を丸ごとすくいましょう」p.56
 
「怒り」という感情とどのように向き合うか。アンガーマネジメントという言葉をよく耳にするようになりました(中略)人間である限り、どうしたって怒りの感情は、わき起こってきますし、それをどうコントロールするかというのは永遠のテーマなのかもしれません。
人間なので「つい怒ってしまう」というのはなかなか避けられないのですが、ぜひとも「怒るって、どれほどのメリットがあるのだろう?」「怒ることで本当にいろいろうまくいくのかな?」と客観的に考えてみてほしいのです。
自分の過去を振り返ってみても、怒りを相手にぶつけたところで本質的な問題が解決したということは、そうそうないのではないでしょうか。(中略)
友人同士のようなフラットな関係でも、相手に怒りをぶちまけて、うまくいくことなどまずありません。自分がすっきりするならまだしも、言った側も「ああ、なんだか言い過ぎちゃった・・・」「こっちも、なんだか気分が悪いわ」と後悔することの方が多いはず。p.57~p.60
 
では、そんな怒りが湧き上がってきたとき、頭の中でどう考えればいいのか?
ここで「スプーンの思考」です。

ナイフはグサッと刺したり、切り刻んだりする道具ですから、相手のダメージ となることをストレートにやり返すという反応です。
フォークは、尖った先端を使って、チクチク相手を刺していくという方法。
・一方、スプーンは相手を優しくすくいあげるというイメージです。
「腹の立っている相手に、優しくするなんてありえない!」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。でも、ただ単に優しくするわけではありません。相手より大きな存在になって、相手を自分のスプーンの上にのせる。言ってみれば手のひらの上で踊らせるイメージでしょうか。p.60~p.61
 
《著者まとめ》
怒りをぶちまけても、いいことなんて何もない。
相手のためじゃなく、自分の平穏のために心を大きくする。
p.61
 
《著者》
イライラをコントロールできる スプーンのワーク p.62~p.63
 
怒りというのは、瞬間的な感情です。ですからイラッとしたとき、何も考えずに激昂して、あとで悔やむ・・・・・。そうならないために、怒りをコントロールするための練習をしておくとよいでしょう。
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.16
2021-10-20
「中堅職員フォローアップ研修」報告書を読んで(続き)

「理事長だより」No.14(8月20日発行)で、「中堅職員フォローアップ研修」報告書の中から「チームワーク」に関連する意見を紹介しました。今回は、「障害者が地域で暮らす」「障害者と地域のつながり」に関連する意見・感想を一部紹介します。私は、今回の研修報告書を読むまで、「障害者と地域生活」や「当法人と地域の関係」について深くは考えて来なかったので、皆さんの意見や考え方に啓発されました。今後、皆さんと一緒に考えて行きたいと思います。
 
●ボランティアの方がいらして、昼食を作ってくださったり、アルミ缶を持ってきてくださったり、ショッパーやポスティング、散歩等で声をかけてもらったりすると嬉しくなります。特別ではなく自然に地域に混ざり合い、みんなが暮らしやすい場所を作りたい。それはしてもらうばかりではなく、私たちも地域に歩み寄って行きたいと思います。
 
●コロナの影響で行事が少なくなっていますが、ただ行事を行う、ただ外出をするといった地域参加ではなく、利用者さんも地域の方もみんなが混じり合える方法を模索して行きたい。
 
●女性、高齢者、障害者に限らず、地域社会で生きづらさを感じる人は、皆障害者である、と言われたことに、はっとしました。だれも地域社会で生き生き暮らしたいと思っています。・・みんなが生き生き暮らしていくためには支え合うことが大切です。
 
●福祉は日々進歩、進化してきていますが、「ソーシャルインクル―ジョン」の言葉が一番理想的だと感じています。今いちょう工房は全くそこに至っていないことも痛感 せざるを得ないと思っています。・・・ご本人が暮らしやすい社会にするためには、他の活動も取り入れなければならないと痛感しています。彼らをもっと多くの人に知ってもらい、理解しようと感じてもらい、 お互いに存在してよいと思える地域にしていく何かを始めたいと感じました。
 
●多様性が尊重される時代に障がいと接点のない人たちに私たちのような法人を知って もらうことはとても大切なことだと思います。けれども現実に障害のある方は教育のどこかで健常の人たちと離れ、囲いの中で生活している人が多いと感じます。それは特に知的障がいの方に顕著です。学校教育でも障がい理解の時間は取られていますが、 やはり生身の関わりがないと真の理解は難しいと思います。そのような時、私たちのような支援者が橋渡しになれたらいいなと思いますが、そのためには利用者さんの長所を良く見て、理解し続ける努力、は継続しなければと改めて今回を機に思いました。難しい問題ですが、考え続けていきたいと思います。
 
~今月のことば~ 
OASIS「オアシス」
①砂漠の中で、水がわき草木が生えている緑地。②憩いの場所のこと。
さて、人間関係で「オアシス」をつくるには、
(オ)おはようございます(挨拶) (ア)ありがとうございます(感謝
(シ)失礼しました(礼儀)    (ス)すみませんでした(謙虚
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.15
2021-09-20
「パラリンピック競技を見て、感じたことや考えたこと」

今回の東京大会ほどパラリンピック競技を見たことはありませんでした。選手が一生懸命がんばっている姿を見て、グッと引き寄せられ、選手の人柄やこれまでの努力や苦労などを知るにつれ、親近感が深まりました。また、「選手とガイド・コーチ」との関係、さらには、「利用者と支援員」の関係と「選手とガイド・コーチ」の関係についてもどうなっているのか、興味が沸いてきました。パラリンピックを見て、感じたことや考えたことが色々ありました。今回のたよりでは、一部をお伝えします。私への質問として[Q]に書きました。⇒みなさんのご感想・意見はいかがですか?

1.印象深かった選手が大勢いましたが、その中で2例を紹介します。
 
①女子50mと100m背泳ぎで、日本勢最年少でメダルを獲得した山田美幸選手(14)は、先天性の四肢欠損で両腕がなく、左右の脚の長さも違います。「推進力の強い」という長い方の左脚の足裏で水を押し出し、「器用に動かせる」という右足で加速する、独特にキックと最適な姿勢を見つけ出して、理にかなった泳法を極めました。山田選手の泳ぐ姿に感動しました。「失ったものを数えるな。残されたものを最大限生かせ」~パラリンピックの父、英国の医師、ルードウィック・グッドマン博士のことばを体現しています。

②男子100mバタフライ木村敬一選手と富田宇宙選手は決勝で、金銀メダルを獲得しました。木村選手は2歳で視力を失い、小学4年で水泳を始めたので、バタフライの泳ぎ方を見ていません。「どうやってバタフライを習得したのだろうか?」驚きです。木村選手は、4パラ大会に連続出場し、通算8個目で初めて念願の金メダルを獲得しました。全盲なのでメダルの色を確かめられません。表彰式で君が代が流れ始めたとき、「僕が唯一、金メダルを取ったと認識できる時間。我慢しなくていいのだ」と号泣しました。一方、銀メダルの富田選手は16歳で徐々に視野が狭くなる難病に罹りました。2人は、最大のライバルで、本音をぶつけ合う友でもあります。2人がコースロープ越しに喜び合う姿に、とてもすがすがしい気分になりました。信頼関係の強さと尊さを感じました。
 
2.視覚障害のある選手とガイドとの信頼関係(例)
 
①タッパー:スイマーにターンやゴールの合図を送る人。合図が、0.01秒遅れれば、壁に激突する。命懸けの「あうんの呼吸」です。上記の木村敬一選手のタッパー、寺西真人さんは、同選手を中学時代から息子のように見守り、「金メダル獲得は俺の夢でもある。人生を懸ける」と、18年に支援学校を早期退職し、タッパーに専念しました。「先生がいるから安心して突っ込める。金メダル獲得のプロジェクトを作り上げる仲間です」と、木村選手の信頼は厚い。

②ガイド(伴走者):競争者とガイドを「きずな」と呼ばれるガイドロープで結びます。2人の脚が1人の脚になります。100%歩幅、速度、呼吸を合わせねばなりません。

③コーラー:声や手拍子で誘導する人。女子走り幅跳びで、日本新記録で5位に入賞した、高田千秋選手は、「選手とコーラーとの信頼関係が強くないと、選手は怖くて踏み切れません。」
 
3.知的障害のあるランナーとコーチとの信頼関係(例)
陸上女子400mの日本記録保持者の外山愛実選手とコーチの奥松美恵子さんのケースです。奥松さんは、外山選手を7年前の特別支援学校から指導しています。外山選手には軽度の知的障害があり、気持ちが上下し、やる気が出ないことがあります。奥松さんは、「この前は彼女が(トイレに行って)戻ってくるまで2時間かかりました。」とさらりと言ってのけました。選手を「待つ」ことや「やる気スイッチ」を入れることもコーチの仕事だそうです。外山選手は、決勝に進出し、日本記録更新で7位入賞をしました。外山選手に、「奥松コーチはどういう存在ですか?」と聞くと、「先生でもあり、親でもあるということ。叱ってくれる、生活面でも注意してくれるところです。」との答えが返ってきました。叱られることも心に響いているのです。
 
4.「支援員と利用者」の関係と「ガイド・コーチと選手」の関係について
 
★私は、パラリンピックを通して、以下のことに気づきました。
・選手はガイドやコーチが必要とします。なしでは、競技はできません。
・ガイドやコーチは、障害がある選手が持っている潜在可能性を見つけ出し、それを伸ばすという作業をしています。
・選手のそばには励ましてくれる人、選手のことを自分のことのように考えてくれる人がいます。チームで選手をサポートします。
・ガイドやコーチは、選手と同じ目標に向かって活動しています。
・ガイドやコーチが選手への指導育成の工夫や努力をやめたら、選手はそれ以上伸びません。
 
★私は、自分に以下の問いかけをしました。
[Q1]ガイドやコーチは、一方的に選手に献身しているだけなのか?
[Q2]ガイドやコーチは、どんなやりがいや楽しみを見出しているのだろうか?
[Q3]ガイドやコーチのしていることは、支援員がしていることと全く別のことだろうか?
[Q4]選手はやる気もあり、意思疎通もでき、特別な存在で、利用者とは違うのだろうか?
[Q5]「利用者と支援員」の関係と「選手とガイド・コーチ」の関係とは、全く別なのだろうか?
 
★皆さんのご意見はいかがですか?
 
(私には、支援員の仕事もガイドやコーチの仕事も重なって見えます。)
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
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