■新年会でのごあいさつ
1月20日に京王プラザ八王子で、新年会が開催されました。八王子市長、市議会議長を始め、都議会・市議会議員の方々にご出席いただきました。その際にご挨拶した内容をお伝えします。
(前略)
※新年のあいさつ、能登半島地震、来賓への謝辞
※八王子いちょうの会の歴史、事業概要の説明
2020年1月に新年会を開催した後から、3年以上もの間、100年に一度とも言われるコロナ禍に見舞われました。利用者の皆さんも何かと制約の多い生活を余儀なくされましたが、よく耐えました。職員もがんばりました。私たちは、利用者さんのためにコロナ禍だからこそできることを見つけようと、色々チャレンジしました。例えば、2021年11月には、コロナ禍で外出が困難だった利用者さんに、思いっきり体を動かしてもらおうと、市内で一番広い、エスフォルタアリーナのメインアリーナで、全事業所の利用者と職員が集まって、創立10周年行事を行いました。その節は、石森市長にご挨拶をいただき、ありがとうございました。 (市長にお礼)また、2022年11月には、コロナ禍であっても、利用者さんの創作活動で作った作品の展示や自主製品の販売の機会をつくろうと、崎田前理事長が運営なさっている、にしはちスポーツジムで、「みんなのアート作品展」を開催しました。私は、どんなに困難な状況にあっても、利用者さんと一緒にできることを見つけて、一緒にやってみて、一緒に感動することが大事だと思います。職員の皆さんが、明るい笑顔で、元気にあいさつし、楽しい笑い声が溢れている限り、いちょうの会は、大丈夫だと思っております。私たちは、利用者の皆さまによりよい支援を提供し続けるために、存続して行く必要があります。私は、その決め手は、支援員がチームで、利用者一人一人に対してどこまで深く、強く、想いを馳せることができるかであると考えています。私が申し上げるのも何ですが、八王子いちょうの会は、真面目に支援を行っていると、自信をもって言えます。八王子で一番、熱く、本気で支援に取り組んでいる障害福祉サービス事業者になりたいと思います。今年も、ご来賓の皆様のご指導とご支援を心よりお願い申し上げます。
■中堅研修報告書を読んで
昨年12月8日に中堅研修を開催しました。受講された皆さんから提出された報告書を読みました。その一部を掲載します。
・コミュニケーションとは、①情報の伝達・共有、②思いの伝達・共有。 この2つを通じて、相互理解と信頼関係が構築される。コミュニケーションがうまくとれないと信頼関係が築けない。
・コミュニケーションにおける、言語、聴覚、視覚の影響の割合を明らかにした心理学上の法則にメラビアンの法則がある。言語7%、聴覚38%、視覚55%で人が誰かと会ったときに受ける表現効果の違いにより、印象を決定づける。
・言語コミュニケーションには、2種類ある。「言語」と「非言語」コミュニケーションである。言語は理解しやすいものだが、非言語は明確に受け取ることが難しいメッセージである。
・利用者さんとのコミュニケーションでは特に非言語コミュニケーションに気を付けている。表情(今はマスクをしているので、目だけ見ても笑っているとわかる表情)、話す目の高さ、手ぶり、体の向き、声の大きさ等に気をつけている。
・ただ、職員間では、面談時には意識していたが、日頃から気をつけてはいない。研修を受けて、振り返ることができた。
・研修中、「相手に喜ばれる声かけ」では6個しか書き出すことができなかった。(声かけを)意識的に使うことで、何気ない会話で出るようにしたいと思った。
・今回の研修で自分の行動を振り返った時に、課題に気づくことができた。
☆職員に対して2種類のコミュニケーションのうち、「非言語」がおろそかになっていた。
☆相手に喜ばれる声掛けのレパートリーが少ない。
☆沈黙に意見があるとわかっていても自信の無さからなのか、先に話そうとしていることがよくある。これら課題については、日常で意識的に行動し、改善していきたい。
・研修の中で、プラスの言語コミュニケーションを与えられた人は、自己肯定感を持つことができ、自分の課題に挑戦する意欲を持つことができる話がありました。利用者さん支援の中で日々たくさんほめるようにし、またありがとうと伝えることで、本人が認められていると感じ、またがんばろうという気持ちがもてるようにしていますが、職員の対してもこのような視点を持ち、日々やっていかなければならいと感じました。
・聴き上手の5つのスキル
①表情とアイコンタクト
②うなずきとあいづち~沈黙にも意味がある
③復唱する
④質問する~☆答えが決まっていて、考えなくてもすぐに答えられる質問と☆答えが決まっていない、自由に答えることができる質問を上手に使い分けて質問する。
⑤要約~話の要点を繰り返すことで、相手の伝えたいことを整理して重要な事柄をわかり易くすることができる。
・コミュニケーションを取る際に、相手の話をききながら学んだ5つのスキルを加えながら、聴き上手に違づけるように変えていきたい。
コミュニケーションの3つの柱:
①「受容」:相手を受け止める
②「共感」:相手によりそう
③「傾聴」:相手の思いを聴く
・「君子は人の美を成し、人の悪を成さず。小人は是に反す」~君子は、人に長所があれば、それを完成させるために手助けをし、短所や欠点があれば、それをそっと補う。取るに足らない人物は是と反対のことをする。
・2500年以上も前の論語が色あせることなく、私たちの思想にささるような言葉を残しているということは、人間の本質は時が変わっても変化していないことが多いことに気づかされました。昔と違い、物質的に豊かになっているけれど、人と人との関係性は変わっていないぶん、昔の人のそういう言葉を肝に銘じながら生きていきたいと思いました。
・私は、人とコミュニケーションをとるのが好きですが、特に人の話をきくのが大好きです。自分のことを話したくないわけではないのですが、自分が話すよりも相手の話をきく方が私自身が何十倍も楽しくすごせるし、相手のことをもっと知ることができるので、気心を知っている方との会話以外は、相手7割、自分3割くらいの割合で話をいている気がします。
・先生から「傾聴」とは、相手を内面から理解するということで、こちらの聞きたいことをきくのではなく、相手の伝えたいことを聞くことです」という話がありましたが、私は相手の伝えたいことをきくというよりも自分がききたいことを相手が話してくれていたんだろうなという事を感じました。
・自分本位できくのではなく、相手が話したいことをきくことに気をつけたいです。また、八の字で座るとリラックスして話しやすいとのことでしたので、相手と打ち解けられるように座る位置にも注意していきたいと思います。
・コミュニケーションの要点として、押さえておくべきポイントがあるのは理解しながら、「何をしたら相手のためになるか」については答えが一つではないので、相手にフィットしたやり方を探っていくという点を忘れないようにしたい。
・研修の中のワークで相手を誉める言葉をどれだけ持っているか書き出す時間があったが、6個しか出てこなかった。講師の方が「普段相手をよく誉めている人ほどたくさん選択肢がある」と仰っていたが、確かに仕事をする中で自分は周りを誉めるという行動をとることが極端に少ないと感じた。その根底にあるのは、自分は誰かに誉められるために仕事をしているわけではないし、認められなくてもやるべきことをやるだけだと考えているからだと思った。誉められることでモチベーションが上がるのかについても懐疑的に感じられているので、自分が他者からの評価や称賛を得ることが仕事に取り組む動機にはなり得ない。ただ、それを周りの職員に同じように求めることは絶対にしないと心に誓っている。他職員の仕事のモチベーションを高めることは自分の責任でもあるという点をを今回の研修で得た教訓としたい。
・利用者さんがいて、同僚がいて、仕事のほとんどが他人とのコミュニケーションを必要とする、この業界には職場を明るくするコミュニケーションは不可欠だと思います。
・日々の利用者さんへの支援に加えての職員との良いコミュニケーションを実践しようとしても、忙しさと人疲れのようなものもあり、なかなか難しいものがあると思いますが、その中でも少しずつ取り入れていければと思っています。
・今回の研修では、コミュニケーションに大切な、受容・共感・傾聴がありました。その中でも、話しやすい雰囲気をつくるために、相手を受容・承認する喜ばれる声かけという話があり、実習でその言葉を考えていた時、講師の方が指摘されていたように、自分が普段からほめる言葉を話していないことがよく判りました。日々のシチュエーションを考えてほめる言葉を考えましたが、最初の出た数個のよくあるほめ言葉以外、全然出て来ませんでした。普段どれだけほめ言葉を言っていないかを思い知らされました。
・自分にはコミュニケーションに関して多くの不足している部分があることを痛感した研修でした。一番難しそうな質問については、閉ざされた質問と開かれた質問があり、これを上手に使うことで、相手との良い関係づくりをすることができるという話があったので、ほめる言葉を色々考えながら、実践していきたいと思います。
・「支援員」という職業は、まさに「コミュニケーション」を第一に利用者、職員、保護者、上司、部下等様々な人と切磋琢磨しながら過ごしていく日常です。1日8時間以上、この時間に費やすのであれば、お互いが尊重し合い、建設的で気持ちよく過ごしていきたいと思います。だとするならば、思うだけでなく、日々実践することの大切さを学びました。
・可視化された研修内容はインプットしやすく、またロールプレイを通じてアウトプットし、自分のスキルとして取り込んでいく、今回の研修は非常に意味があると感じ、即実践していこうと思いました。今後もこのような「生きた研修」を望みます。
■今月の言葉
プロ選手の力量は、みんな大差はない。その中でどこまで考え、突き詰めて僅かな差をつけるか。微差が大差になる。
読売ジャイアンツ 川相内野守備コーチ
読売新聞 朝刊 2024.2.9