「中堅職員フォローアップ研修」の報告書を読んで
7月16日(金)にZOOMを使って「中堅職員フォローアップ研修」を行いました。受講者から提出された、「研修報告書」を1件1件読みました。「なるほど」「そうか」といった気づきや理解を得ることができ、とても参考になりました。今月は、「職場の人間関係」や「チームワーク」に関する意見を取り上げます。
①いちょうの会の理念を実現するために、変わって行く相手(利用者)、変化し続ける相手のことを理解しようと思い続けることがとても大事なことと気づきました。そのために相手に好奇心、広い視野を持つことが必要になってきます。そして気づいたことの情報共有をすることがチーム支援をするために大事になります。それを実現するために、相手(利用者も職員も)の長所を見つけ、強みを活かし、出来ることを伸ばす、肯定する。とらえ方次第で全てが変わるので、これを支援につなげていきたいと思いました。そして感謝の気持ちを持つこと。言葉や形にして気持ちを伝えることを実践していきます。日々の支援の中で自分には何ができるかを考え、自分の経験値をあげて、自分にしかできないこと、知識を持てるようにしたい。
②利用者さんや職員に対する「良いところ探し」が常にできるよう広い視野を持って取り組んでいきたいと思います。またお互いに認めあう人間関係を築いていくことの大切さを実感しました。
③職員の出来ないことや苦手なことが目についてしまい、事業所内で否定することから始まることが多く、職場の人間関係などに影響してくるように感じます。利用者さんも職員も人間なのでどんどん変わり続けます。その瞬間の相手の気持ちを汲み取り、出来ないと、決めつけることなく、人と人との付き合いをして行きたいと思いました。
④どうしても職員は「決めつけがち」です。この人はこういう人、あの人はああいう人。自分の価値観のみに偏ってきてしまいます。職員間のわだかまりや不満が溜まっているのを多く見てきましたが、それぞれのストレングス(長所や強み)を見て、お互いが理解し、受容し合えば、支援力は高まるでしょう。何事も思っているだけでは叶わず、言葉にしなければ伝わらない。今後も「福祉とは」「支援とは」という原理原則の研修を重ねていってほしい。
⑤職場内においても、お互いの長所を認め、その力を活かすことで強いチームワークが成立できる。その気持ちをその時の感情で左右されないよう自分を戒めたい。
⑥どうしても相手のマイナス面を指摘してしまう職場でもあったが、感謝している気持ちをどんどん言葉にして行く必要があると思った。
⑦仕事だと「気が付いて当たり前」「利用者さんのためにやるのが当たり前」が前提で、互いに認め合ったり、褒め合ったりも少ない。利用者さんの問題や課題に対しての話が多くなり、「こういった支援が良かったね」「あのプログラム良かったね」「次はこんな方法で伸ばしていきたいね」といった話にならないことも多く、私たち自身が気を付けてチームワークをもっと良くして行きたいと思った。
⑧人として生まれて来て「人間らしく生きる」権利は誰しもが持っている。しかし、人は、他人の欠点を上げ、長所は後回しにする。その結果、人間関係にストレスを抱え、最悪、自分自身をダメな人間だと否定してしまう。人間は否定されると伸び代がなくなる。いくら欠点が多くても全肯定された人間は、欠点も長所に変えられる。よい支援を行う絶対条件は、「支援員の心の健康」。「職場に行くのが辛い」と思いながら支援することと「今日も一日楽しい」と思って支援するのでは、雲泥の差がある。お互いを思いやる心が常にあり、「ありがとう」の言葉を言える環境であれば自ずとチームワークも生まれ、ベストな支援環境が整うのではないだろうか。人材育成において、「欠点よりも長所を伸ばす」これが“キーワード”。
⑨研修の中で、自分ではない他者を100%理解するのは不可能だという話があった通り、自分と相手との間の感覚やずれを少しでも埋めるために、相手を理解しようとし続ける行為が何よりも重要であることに気づかされた。自分だけでなく、他者も絶えず変化していくものだという前提を忘れずに、相手を理解する作業を怠らないようにしたい。仕事とは、「自らが自分らしく生きることをサポートする手段」であり、その実現のためには、自分を取り巻く他者を無視することでは成り立たない。人の上に立つ私の立場からすれば、人材管理が最も大きな課題と言っても過言ではない。自分自身を犠牲にして成り立つ仕事ではなく、人を活かすことでお互いによい影響を与え合う関係をチーム内で作っていきたい。
⑩チーム支援では、何でも言えるような環境づくりが大切だと思っています。
~今月のことば~
「やさしい言葉は、簡単でもずっとずっと心にこだまする。」(マザー・テレサ)
「やさしい言葉」って、どんな言葉ですか?
例えば、「相手のことを大切に思う気持ちが入った言葉」でしょうか?
【追記】
「思えば思わるる」という言葉があります。まずは自分の方から相手のことを思いやれば、相手も自分に好意を持ってくれるようになるといった意味です。これとは逆に、対人関係上、注意すべき、危険な心理を表す言葉を見つけました。
「レッテル貼り」という心理についてご存じでしょうか。嫌な人がどんどん嫌になる心の動きです。何か自分にとって不快なことをする人に「嫌な人」というレッテルを貼ると、その人の嫌なところや不快な言動を見つけようという心の動きが無意識のうちに次々起こり、ますます嫌になります。
※読売新聞(8月15日朝刊)「人生案内」で海原純子(心療内科医)