社会福祉法人八王子いちょうの会からのお知らせ

社会福祉法人八王子いちょうの会からのお知らせ
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理事長だよりNo.16
2021-10-20
「中堅職員フォローアップ研修」報告書を読んで(続き)

「理事長だより」No.14(8月20日発行)で、「中堅職員フォローアップ研修」報告書の中から「チームワーク」に関連する意見を紹介しました。今回は、「障害者が地域で暮らす」「障害者と地域のつながり」に関連する意見・感想を一部紹介します。私は、今回の研修報告書を読むまで、「障害者と地域生活」や「当法人と地域の関係」について深くは考えて来なかったので、皆さんの意見や考え方に啓発されました。今後、皆さんと一緒に考えて行きたいと思います。
 
●ボランティアの方がいらして、昼食を作ってくださったり、アルミ缶を持ってきてくださったり、ショッパーやポスティング、散歩等で声をかけてもらったりすると嬉しくなります。特別ではなく自然に地域に混ざり合い、みんなが暮らしやすい場所を作りたい。それはしてもらうばかりではなく、私たちも地域に歩み寄って行きたいと思います。
 
●コロナの影響で行事が少なくなっていますが、ただ行事を行う、ただ外出をするといった地域参加ではなく、利用者さんも地域の方もみんなが混じり合える方法を模索して行きたい。
 
●女性、高齢者、障害者に限らず、地域社会で生きづらさを感じる人は、皆障害者である、と言われたことに、はっとしました。だれも地域社会で生き生き暮らしたいと思っています。・・みんなが生き生き暮らしていくためには支え合うことが大切です。
 
●福祉は日々進歩、進化してきていますが、「ソーシャルインクル―ジョン」の言葉が一番理想的だと感じています。今いちょう工房は全くそこに至っていないことも痛感 せざるを得ないと思っています。・・・ご本人が暮らしやすい社会にするためには、他の活動も取り入れなければならないと痛感しています。彼らをもっと多くの人に知ってもらい、理解しようと感じてもらい、 お互いに存在してよいと思える地域にしていく何かを始めたいと感じました。
 
●多様性が尊重される時代に障がいと接点のない人たちに私たちのような法人を知って もらうことはとても大切なことだと思います。けれども現実に障害のある方は教育のどこかで健常の人たちと離れ、囲いの中で生活している人が多いと感じます。それは特に知的障がいの方に顕著です。学校教育でも障がい理解の時間は取られていますが、 やはり生身の関わりがないと真の理解は難しいと思います。そのような時、私たちのような支援者が橋渡しになれたらいいなと思いますが、そのためには利用者さんの長所を良く見て、理解し続ける努力、は継続しなければと改めて今回を機に思いました。難しい問題ですが、考え続けていきたいと思います。
 
~今月のことば~ 
OASIS「オアシス」
①砂漠の中で、水がわき草木が生えている緑地。②憩いの場所のこと。
さて、人間関係で「オアシス」をつくるには、
(オ)おはようございます(挨拶) (ア)ありがとうございます(感謝
(シ)失礼しました(礼儀)    (ス)すみませんでした(謙虚
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.15
2021-09-20
「パラリンピック競技を見て、感じたことや考えたこと」

今回の東京大会ほどパラリンピック競技を見たことはありませんでした。選手が一生懸命がんばっている姿を見て、グッと引き寄せられ、選手の人柄やこれまでの努力や苦労などを知るにつれ、親近感が深まりました。また、「選手とガイド・コーチ」との関係、さらには、「利用者と支援員」の関係と「選手とガイド・コーチ」の関係についてもどうなっているのか、興味が沸いてきました。パラリンピックを見て、感じたことや考えたことが色々ありました。今回のたよりでは、一部をお伝えします。私への質問として[Q]に書きました。⇒みなさんのご感想・意見はいかがですか?

1.印象深かった選手が大勢いましたが、その中で2例を紹介します。
 
①女子50mと100m背泳ぎで、日本勢最年少でメダルを獲得した山田美幸選手(14)は、先天性の四肢欠損で両腕がなく、左右の脚の長さも違います。「推進力の強い」という長い方の左脚の足裏で水を押し出し、「器用に動かせる」という右足で加速する、独特にキックと最適な姿勢を見つけ出して、理にかなった泳法を極めました。山田選手の泳ぐ姿に感動しました。「失ったものを数えるな。残されたものを最大限生かせ」~パラリンピックの父、英国の医師、ルードウィック・グッドマン博士のことばを体現しています。

②男子100mバタフライ木村敬一選手と富田宇宙選手は決勝で、金銀メダルを獲得しました。木村選手は2歳で視力を失い、小学4年で水泳を始めたので、バタフライの泳ぎ方を見ていません。「どうやってバタフライを習得したのだろうか?」驚きです。木村選手は、4パラ大会に連続出場し、通算8個目で初めて念願の金メダルを獲得しました。全盲なのでメダルの色を確かめられません。表彰式で君が代が流れ始めたとき、「僕が唯一、金メダルを取ったと認識できる時間。我慢しなくていいのだ」と号泣しました。一方、銀メダルの富田選手は16歳で徐々に視野が狭くなる難病に罹りました。2人は、最大のライバルで、本音をぶつけ合う友でもあります。2人がコースロープ越しに喜び合う姿に、とてもすがすがしい気分になりました。信頼関係の強さと尊さを感じました。
 
2.視覚障害のある選手とガイドとの信頼関係(例)
 
①タッパー:スイマーにターンやゴールの合図を送る人。合図が、0.01秒遅れれば、壁に激突する。命懸けの「あうんの呼吸」です。上記の木村敬一選手のタッパー、寺西真人さんは、同選手を中学時代から息子のように見守り、「金メダル獲得は俺の夢でもある。人生を懸ける」と、18年に支援学校を早期退職し、タッパーに専念しました。「先生がいるから安心して突っ込める。金メダル獲得のプロジェクトを作り上げる仲間です」と、木村選手の信頼は厚い。

②ガイド(伴走者):競争者とガイドを「きずな」と呼ばれるガイドロープで結びます。2人の脚が1人の脚になります。100%歩幅、速度、呼吸を合わせねばなりません。

③コーラー:声や手拍子で誘導する人。女子走り幅跳びで、日本新記録で5位に入賞した、高田千秋選手は、「選手とコーラーとの信頼関係が強くないと、選手は怖くて踏み切れません。」
 
3.知的障害のあるランナーとコーチとの信頼関係(例)
陸上女子400mの日本記録保持者の外山愛実選手とコーチの奥松美恵子さんのケースです。奥松さんは、外山選手を7年前の特別支援学校から指導しています。外山選手には軽度の知的障害があり、気持ちが上下し、やる気が出ないことがあります。奥松さんは、「この前は彼女が(トイレに行って)戻ってくるまで2時間かかりました。」とさらりと言ってのけました。選手を「待つ」ことや「やる気スイッチ」を入れることもコーチの仕事だそうです。外山選手は、決勝に進出し、日本記録更新で7位入賞をしました。外山選手に、「奥松コーチはどういう存在ですか?」と聞くと、「先生でもあり、親でもあるということ。叱ってくれる、生活面でも注意してくれるところです。」との答えが返ってきました。叱られることも心に響いているのです。
 
4.「支援員と利用者」の関係と「ガイド・コーチと選手」の関係について
 
★私は、パラリンピックを通して、以下のことに気づきました。
・選手はガイドやコーチが必要とします。なしでは、競技はできません。
・ガイドやコーチは、障害がある選手が持っている潜在可能性を見つけ出し、それを伸ばすという作業をしています。
・選手のそばには励ましてくれる人、選手のことを自分のことのように考えてくれる人がいます。チームで選手をサポートします。
・ガイドやコーチは、選手と同じ目標に向かって活動しています。
・ガイドやコーチが選手への指導育成の工夫や努力をやめたら、選手はそれ以上伸びません。
 
★私は、自分に以下の問いかけをしました。
[Q1]ガイドやコーチは、一方的に選手に献身しているだけなのか?
[Q2]ガイドやコーチは、どんなやりがいや楽しみを見出しているのだろうか?
[Q3]ガイドやコーチのしていることは、支援員がしていることと全く別のことだろうか?
[Q4]選手はやる気もあり、意思疎通もでき、特別な存在で、利用者とは違うのだろうか?
[Q5]「利用者と支援員」の関係と「選手とガイド・コーチ」の関係とは、全く別なのだろうか?
 
★皆さんのご意見はいかがですか?
 
(私には、支援員の仕事もガイドやコーチの仕事も重なって見えます。)
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.14
2021-08-20
「中堅職員フォローアップ研修」の報告書を読んで
 
7月16日(金)にZOOMを使って「中堅職員フォローアップ研修」を行いました。受講者から提出された、「研修報告書」を1件1件読みました。「なるほど」「そうか」といった気づきや理解を得ることができ、とても参考になりました。今月は、「職場の人間関係」や「チームワーク」に関する意見を取り上げます。
 
①いちょうの会の理念を実現するために、変わって行く相手(利用者)、変化し続ける相手のことを理解しようと思い続けることがとても大事なことと気づきました。そのために相手に好奇心、広い視野を持つことが必要になってきます。そして気づいたことの情報共有をすることがチーム支援をするために大事になります。それを実現するために、相手(利用者も職員も)の長所を見つけ、強みを活かし、出来ることを伸ばす、肯定する。とらえ方次第で全てが変わるので、これを支援につなげていきたいと思いました。そして感謝の気持ちを持つこと。言葉や形にして気持ちを伝えることを実践していきます。日々の支援の中で自分には何ができるかを考え、自分の経験値をあげて、自分にしかできないこと、知識を持てるようにしたい。

②利用者さんや職員に対する「良いところ探し」が常にできるよう広い視野を持って取り組んでいきたいと思います。またお互いに認めあう人間関係を築いていくことの大切さを実感しました。

職員の出来ないことや苦手なことが目についてしまい、事業所内で否定することから始まることが多く、職場の人間関係などに影響してくるように感じます。利用者さんも職員も人間なのでどんどん変わり続けます。その瞬間の相手の気持ちを汲み取り、出来ないと、決めつけることなく、人と人との付き合いをして行きたいと思いました。

どうしても職員は「決めつけがち」です。この人はこういう人、あの人はああいう人。自分の価値観のみに偏ってきてしまいます。職員間のわだかまりや不満が溜まっているのを多く見てきましたが、それぞれのストレングス(長所や強み)を見て、お互いが理解し、受容し合えば、支援力は高まるでしょう。何事も思っているだけでは叶わず、言葉にしなければ伝わらない。今後も「福祉とは」「支援とは」という原理原則の研修を重ねていってほしい。

職場内においても、お互いの長所を認め、その力を活かすことで強いチームワークが成立できる。その気持ちをその時の感情で左右されないよう自分を戒めたい。

⑥どうしても相手のマイナス面を指摘してしまう職場でもあったが、感謝している気持ちをどんどん言葉にして行く必要があると思った。

⑦仕事だと「気が付いて当たり前」「利用者さんのためにやるのが当たり前」が前提で、互いに認め合ったり、褒め合ったりも少ない。利用者さんの問題や課題に対しての話が多くなり、「こういった支援が良かったね」「あのプログラム良かったね」「次はこんな方法で伸ばしていきたいねといった話にならないことも多く、私たち自身が気を付けてチームワークをもっと良くして行きたいと思った。

⑧人として生まれて来て「人間らしく生きる」権利は誰しもが持っている。しかし、人は、他人の欠点を上げ、長所は後回しにする。その結果、人間関係にストレスを抱え、最悪、自分自身をダメな人間だと否定してしまう。人間は否定されると伸び代がなくなる。いくら欠点が多くても全肯定された人間は、欠点も長所に変えられる。よい支援を行う絶対条件は、「支援員の心の健康」。「職場に行くのが辛い」と思いながら支援することと「今日も一日楽しい」と思って支援するのでは、雲泥の差がある。お互いを思いやる心が常にあり、「ありがとう」の言葉を言える環境であれば自ずとチームワークも生まれ、ベストな支援環境が整うのではないだろうか。人材育成において、「欠点よりも長所を伸ばす」これが“キーワード”。

⑨研修の中で、自分ではない他者を100%理解するのは不可能だという話があった通り、自分と相手との間の感覚やずれを少しでも埋めるために、相手を理解しようとし続ける行為が何よりも重要であることに気づかされた。自分だけでなく、他者も絶えず変化していくものだという前提を忘れずに、相手を理解する作業を怠らないようにしたい。仕事とは、「自らが自分らしく生きることをサポートする手段」であり、その実現のためには、自分を取り巻く他者を無視することでは成り立たない。人の上に立つ私の立場からすれば、人材管理が最も大きな課題と言っても過言ではない。自分自身を犠牲にして成り立つ仕事ではなく、人を活かすことでお互いによい影響を与え合う関係をチーム内で作っていきたい。

⑩チーム支援では、何でも言えるような環境づくりが大切だと思っています。
 
~今月のことば~
やさしい言葉は、簡単でもずっとずっと心にこだまする。」(マザー・テレサ)
「やさしい言葉」って、どんな言葉ですか?
例えば、「相手のことを大切に思う気持ちが入った言葉」でしょうか?

【追記】
思えば思わるる」という言葉があります。まずは自分の方から相手のことを思いやれば、相手も自分に好意を持ってくれるようになるといった意味です。これとは逆に、対人関係上、注意すべき、危険な心理を表す言葉を見つけました。
「レッテル貼り」という心理についてご存じでしょうか。嫌な人がどんどん嫌になる心の動きです。何か自分にとって不快なことをする人に「嫌な人」というレッテルを貼ると、その人の嫌なところや不快な言動を見つけようという心の動きが無意識のうちに次々起こり、ますます嫌になります。
※読売新聞(8月15日朝刊)「人生案内」で海原純子(心療内科医)
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.11
2021-05-20
「ホモ・サピエンスとネアンデルタール人」
 
■私たちホモ・サピエンスは今から20万年前に、また、同じ祖先を持つネアンデルタール人は30万年前に誕生しました。サピエンスは、今日まで生きていますが、ネアンデルタール人は4万年前に絶滅しました。生存と絶滅。この違いはどこから来るのでしょうか? 決定的な違いは、生活を共にする「集団の人数」にあるようです。

①ネアンデルタール人は、血縁関係のある家族のみと一緒に生活し、それ以外の他者と集団で生活することはなかったようです。多くても20人程度で暮らし、新しい知識を他者から得る機会が少なかった。一方、サピエンスは400人を超える大きな集団で生活し、他者から知識を得る機会が多かった。集団の人数が増えるほど、多様性が増し、進化し続けて来たと考えられます。
②ネアンデルタール人は、屈強で、一人でも野生動物を仕留めることができ、周囲と協力する必要性が低かったようです。一方、サピエンスは小柄で、力も弱かったので、単独の狩りは困難だったでしょう。自分の弱さを認め、「組織の一人ひとりが相互に情報を交換・共有し、協力し合わなければ、組織は生き残れない、成功しない」ということを実行して来たと言えましょう。

■私は、ネアンデルタール人とサピエンスの話から、次のようなことを考えました。
①サピエンスは、大規模集団で生活し、協力し合って、組織力を強化し、環境に適応してきた。それでは、どうしたら、協力し合える関係をつくれるのでしょうか?
まずは、謙虚。謙虚に自分一人でできることには限界があると認めること。次に礼節。他者との協力関係をつくること。礼節とは、相手への敬意や慎みの心、相手に失礼に当たらない、相手が快く思うような心の伴った礼儀を示すことです。
お互いに様々なアイディアや意見を自由に出し合え、話し合える、楽しい会議にしょう!・・・キーワードは、謙虚と礼節!
まず、相手の話や考えを聴こう!
自分の意見と違っても、否定しない! 自分の意見だけを押し通さない! 「そういう考え方もあるんだ」
自分の意見・アイディアを臆せず、率直に述べよう!
議論を尽くして結論を出そう!それを全員一致で実行しよう!
会議の後では「本当はこうだった」などと言いっこなし!
 
さて、私たちの支援の仕事も一人ではできません。チームで進めます。私たちは、ホモ・サピエンスで、ラテン語で「賢い人間」という意味だそうです。絶滅したネアンデルタール人ではありません。

《追記》 ダークダックスの歌、「絆」
「理事長だよりNo.11」を書いていた途中で、「武田鉄矢 昭和は輝いていた~癒しのハーモニー」(BSテレビ)で観ました。その中で、平成21年9月6日にダークダックス館林音楽館でのコンサートが放映されました。病気療養中の「マンガさん」も加わって、「絆」を歌っていました。特に2番は私が書こうとしていることを言い表したような歌詞で、病気のマンガさんを気遣いながら歌っている4人の姿に感動しました。4人が揃った最後の映像だったそうです。

「絆」 ダークダックス 昭和56年
 
糸へんに半分と書いて    絆と読みます
お互いに半分ずつの    糸を結び合うからです

糸の太さは    人それぞれ
顔の違いと    同じです
固いか    緩い(ゆるい)か 程々か
その結び目が    大事です
 
君がいたから    青春だった
君がいるから    あたたかい
人は誰でも    そんな友達
捜し求めて     旅をする
 
イ(にん)べんに半分と書いて    伴うと読みます
人はみな半人前が    二人道づれだからです
一人でできる    ことと言えば
互いに    たかが    知れてます
一人の旅より    二人旅
触れ合う肩が    語り合う
 
君がいたから    青春だった
君がいるから    あたたかい
人は誰でも    そんな友達
捜し求めて    旅をする
 
君がいたから    青春だった
君がいるから    あたたかい
人は誰でも    そんな友達
捜し求めて    旅をする
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.10
2021-04-20
「笑顔」について
 
よりよい支援にとって、何が大事で、何を大切にすべきでしょうか?今の私が最初に上げることは、「いつも笑顔で明るく元気に挨拶する」※です。「笑顔」は、支援員と利用者、支援員同士、いちょうの会全体を元気に、ハッピーにする常備薬であると思います。「笑顔」は、支援サービスに限らず、人間関係に良く効く万能薬です。
 
★今回のお便りでは、「笑顔」について皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
1.「笑顔」のよい人に接すると、どのような気分になりますか?
【私の場合】 ☆気持ちがいい ☆気分がよくなる ☆元気になる ☆楽しくなる☆安心できる ☆平和な気分 ☆親しみやすい ☆心を開ける ☆気持ちが通じやすい☆好意を感じる ☆ストレスが溜まらない ☆気をつかわない・・・良いことたくさん!
 
2.笑顔で、自分も元気になれます。
①笑顔は人のためならず、巡り巡って自分に戻ってくるのである。だから、笑顔のいい人は元気なのです。笑顔は、自分が元気になるための常備薬でもある。
②気持ちが落ち込んでいるとき、挨拶の顔を上げるのがおっくうなときでも、いい笑顔をみせよう。それで相手も安心する。それが人と人との関係を潤滑にするためのサービスの一歩。それが、相手を元気にする。あなたがいい笑顔をもらったときうれしいように、相手もまた、うれしいのである。ここが人と人との大切なところである。
※「『あなたと会うと元気になる』といわれる人の共通点」(斎藤茂太著著 精神科医・医学博士)
 
3.「笑い」が健康によいことは、医学界の常識です。
⇒いちょうの会の皆さん、健康増進のためにおおいに笑いましょう!
③笑いが免疫力を高めることは、医学的にも証明されています。笑いによって免疫細胞の一つであるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性化が高まるというのは、いまや医学界の常識になっています。病気になりたくなかったら、おおいに笑えということになります。「笑う門には病来ず」というわけです。
※「健康になる格言」 (帯津良一著 帯津三敬病院名誉院長)
 
4.「笑顔」は、意識したり、努力したり、修行すれば、身につきます。
⇒誰でもむっつりしているよりもニコニコしている方がよいことは、わかっています。
私の場合、今まで笑顔を意識してきたかと聞かたら、自信をもって「はい」とは言いにくいです。笑顔でいることは、結構むずかしいことです。まずは、身近で笑顔のいい人、すてきな人を見つけてみましょう。
④楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ。(ウィリアム・ジェームス 心理学者)
「笑顔、笑顔」と言い聞かせているうちに、本当に気持ちが明るくなってくるそうだ。
※「『気が小さい人』ほどうまく生きられる」 (斎藤茂太著 精神科医・医学博士)
⑤私にとって、患者さんは戦友です。・・・・・横に寄り添って、手を握る、その時には、難しい顔をするのではなく、笑顔でいたいと、私は思っています。笑顔は最高のプレゼントです。
⇒「患者さん」を「利用者」さんに置き換えみたら、いかがでしょうか?
※「これが究極の長寿法 100の知恵」 (帯津良一著)
 
5.「笑顔」に関して、気に入った言葉をご紹介します。
笑顔を浮かべれば友達ができます。でもしかめっ面を浮かべればシワができます。
(ジョージ・エリオット 英国の女性作家 1819~1880)
幸運の女神は笑顔と謙虚な人のところに近寄ってくる。 (王貞治)
信じてごらん、笑顔から全てはじまるから。 (尾崎豊)
笑顔は買うことも、強要することも、借りることも、盗むこともできない。無償で与えて初めて値打ちが出る。 (デール・カーネギー)
笑顔は愛の始まりなので、いつもお互い笑顔であいましょう。(マザー・テレサ)
薬を10錠飲むよりも、心から笑った方がずっと効果があるはず。(アンネ・フランク)
気持ちいい笑顔ほど魅力的なものはないな。 (チャーリー・ブラウン)
落ち込むこともありますが、あえて笑顔を作るようにすると前向きな気持ちになれる。 (大地真央)
子供の笑顔に国境はない (間寛平)
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.9
2021-03-22
人間も組織も健康に長生きするためには、ダイエットが必要!
 
桜の開花宣言が出ました。「また今年も桜が見られる!」と思うととてもうれしいです。今年も桜とはソーシャルディスタンスを取らねばなりません。
 
 人間の体には、運動不足や食べ過ぎ、基礎代謝の低下などにより、余分な脂肪(ぜい肉)が付きやすくなります。付き過ぎますと、肥満になります。肥満は、生活習慣病の原因の一つで、脂質異常症や高血圧症、糖尿病にかかりやすくなり、さらに、動脈硬化を起こし、心筋梗塞や脳血管障害(脳卒中、脳梗塞など)を引き起こす危険性を高めるとも言われています。健康で長生きするためには、生活習慣病にならないことが大事で、そのためには、適度なダイエットが必要です。かくいう私は、人間ドックで「肥満」と指摘されています。(本当は肥満気味のはず!)ところてんダイエットの効果も薄れてきました。
 
 人間と同様に、組織(会社や団体など)にも生活習慣病のような症状が現れます。人間の余分な脂肪に相当するのが、「ムダな経費」といえましょう。こわいのは、ムダな経費が溜まっていても誰も気づかないこと、あるいは、気づいていても、気にせず、そのまま放置していることでしょう。先月の「ゆでガエル」的な症状です。これでは、組織は持ちません。組織も健全に発展して行くためには、「ダイエット」が必要です。
 
 組織のダイエットって、何? それは、「業務改善」です。
 組織における業務改善で重要なことは、①チームで取り組むこと、そして、②職員ひとり一人が自発的に取り組むことです。①業務改善は、一人で行うことではありません。何故なら仕事はチームで行っているからです。②業務改善は、誰かに指示されて渋々やることでもありません。何故なら職員ひとり一人が自分たちの課題として、自発的、能動的に取り組むことだからです。
 
 業務改善で期待できる効果としては、

①ムダな支出が減ります。

②ムダな作業や非効率な業務が減ります。その結果、利用者への支援や休憩に回せる時間が増えます。

③ムダな作業や非効率な業務が減ります。その結果、利用者への支援や休憩に回せる時間が増えます。

④いちょうの会全体で取り組みますので、法人全体で業務の標準化につながります。

何より、業務改善という「ダイエット」を実行することにより、いちょうの会全体がスリムに健康になります。
 
 業務改善は、一年限りの活動ではありません。いちょうの会が存続する限り、持続すべき活動です。さらに、利用者への支援を継続して行くためにも必要な活動です。4月から本格的に業務改善活動が始まります。
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.8
2021-02-24
ヒトも組織も「ゆでガエル」にならないように
 
 皆さん、こんにちは。少しずつ春の気配を感じ始めるようになってきましたね。
私は、皆さんが毎朝「明るく笑顔で挨拶!」で利用者さんをお迎えする光景がとても好きです。気分が晴れ晴れして、元気になります。また、一日無事に利用者さんと過ごした後、明るく笑顔で送り出す時間もいいですね。安堵感とともに穏やか気分になります。そして、日中事業所とグループホームとのリレーの場面もすてきです。
 
 全国に社会福祉法人は2万程あり、その9割が職員数100人以下の中小法人だそうです。厚労省は、社会福祉法人の協働化・大規模化に関する検討会を始めています。今後、法人間の合併や事業譲渡の事例が出てくるでしょう。私は、いちょうの会が吸収合併される側に回るとは思いませんが、将来もずっと安泰でいられるかは、私たち次第であると思います。いちょうの会が存続し、発展して行くためには、どうしたらよいでしょうか?私は、次の2つのことが重要であると考えています。
❶支援サービスの進化⇒私たちの支援を日々進化させること。「日々利用者により良い支援をし続けるのだ!」という強い意欲を持ち、支援技能の向上に努め、職員間のチームワークを高めること。
❷収支が黒字であること⇒当会が入金する支援サービスの報酬(収入)から諸経費(支出)を引いた「収支」を黒字にすることです。
 今回は、❶について考えてみたいと思います。
 
 「進化論」で有名なダーウィンの言葉に、「生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである」があります。私たちの仕事では、「今よりもっとよい支援の方法はないか?」「昨日より今日、今日より明日、どうしたら支援を進化させることができるか?」 利用者の皆さんは、日々変化しています。その一人ひとりにとって、最適な支援は何かを各々の支援員が考え、チームで話し合い、実行してみる。これを日々地道に続けることでしょうか?
 
 「ゆでガエルの法則」という寓話を聞いたことはありますか? カエルを熱湯の中に入れると驚いて飛び出しますが、常温の水に入れて徐々に熱すると、カエルは、水温に慣れていき、生命の危機に気づかずに茹で上がって死んでしまうとのことです。もしも、社員が「今のやり方を続ければいい」、「まあこの位でいいだろう」、「待っていれば誰かがやるだろう」といった、「ぬるま湯」的な考え方を持つと、その会社は、「ゆでガエル」になってしまい、存亡の危機に陥るということです。皆さんが、自分たちの職場や支援チームを自分たちの手で今より良くして行こうと、主体的に、積極的に仕事に取り組んで行けば、仕事も楽しくなり、遣り甲斐も増して、いちょうの会全体の将来も明るく、希望に輝きます。
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.6
2020-12-23
「和顔愛語・先意承問」
 
皆さんの支援の様子から、思い至る言葉がありましたので、ご紹介します。
それは、「和顔愛語」(「わげんあいご」「わがんあいご」) です。この言葉を知ったのは、今から数十年も前のことです。素敵な言葉だと思いました。今回「理事長だより」に載せるので、改めてこの言葉の出典を調べてみました。
親鸞聖人(1173.5.21生)が真実の経典として最も大切にされた、浄土三部経のひとつ、「仏説無量寿経」の中に、「和顔愛語 先意承問」が連記されているとのことです。
和顔愛語」は、「周囲を和ませ、穏やかな空気を生み、・・・・・素晴しい行いですが、それだけではなく、笑顔で人に接しようと努めている自分自身が大きな幸せを手にできますよ」と、お釈迦さまは説かれているそうです。
 
和顔愛語・先意承問とは、和やかな顔と、思いやりの言葉で人に接することで、相手の気持ちをいたわって、先に相手の気持ちを察して、相手のために何が出来るか? を考えて、自ら進んで、手を差し伸べていく」という意味です。
⇒これを支援員利用者の関係に置き換えますと、「支援員が和やかな顔と思いやりの言葉で利用者に接することで、利用者の気持ちをいたわって、先に利用者の気持ちを察して、利用者のために何が出来るか?を考えて、支援員自ら進んで、手を差し伸べていく」となります。正に皆さんがいつも支援で行っていることです。 (そうです、皆さんは日々仏教の教えを実践しているのです!)
 
■翻って、支援は一人ではできません。支援はチームで行います。チームのメンバーがバラバラでは、プロの支援にはなり得ません。チーム全体の全エネルギーを利用者支援に結集してこそ、最高の支援ができると思います。また、チームワークは、人間関係に影響されます。例えば、個人的な感情や気分は、チーム内伝播して行きます。不機嫌もチーム内に伝われば、その反対に上機嫌も伝わります。不機嫌を他にばらまくより、気分よく人に接した方がいいに決まっています。
「和顔愛語・先意承問」の対象は、利用者だけではありません。職場の仲間にも働きかけ、お互いに協力し合って、できることから実践することがプロの支援だと思います。きっと今よりも気持ちのよい、楽しい、活発なチームに変わります。
 
※「和顔愛語・先意承問は、私が皆さんにこれまでもお伝えしてきた、利他の心と相通じます。
「どんな人でも、この世に生を受けた限りは幸せになる権利があります。それどころか、幸せになる事が私たちの生きる義務であろうとすら思っています。美しい利他の心をもって世のため、人のため に力を注ぐとき、私たちの人間性は磨かれ、幸福や充実がもたらされ、その人生もより深い意義と価値あるものになっていくのです。」
(稲盛和夫 「心。」)
 
マザーテレサの言葉にも、「和顔愛語・先意承問」に通じるものがあります。
☆「誰かに微笑みかけること、それは愛の表現であり、その人へのすばらしい贈り物となるのです」
☆「人のことを批判していたら愛する時間がなくなってしまいます」
☆「もし平和が得られていないなら、それは私たちが仲間だということを忘れているからです」
☆「優しい言葉は、ずっとずっと心にこだまする」
 
人間関係はそんなに単純ではないでしょうが、一人一人のちょっとした気持ちや意識の持ちようによって、また、日々の地道な行動によって、今より人間関係も良くなり、仕事も楽しくなると思います。 
今年一年ご苦労様でした。ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.5
2020-11-20
■「当法人のルーツは、親の会
 いちょうの会は、今から57年前に、母親が障害をもった子供たちのための居場所づくりから始まりました。任意団体「手をつなぐ親の会」、非営利活動法人(NPO)を経て、10年前に社会福祉法人が設立されました。支援のキーワードは、「親身」でしょう。
 
■「親の望み」 親が福祉サービスに望んでいることは何でしょうか?
 ❶「子供の安心、安全
  ~子供がケガをしない。体調の変化に気付き対処してくれる。事業所に行っている間は安心。
 ❷「子供の幸せ
  ~事業所に行くことをいやがらない、楽しみにしている。笑顔でハッピー!
 ❸「今までできなかったことができるようになった
  ~親は、子供のちょっとした成長や可能性が広がることがうれしい。
★上記のことは、私の場合ですが、大方の親が望んでいることでしょう。(福祉に限らず)
 
■「福祉サービスの基本的理念」 (毎度おカタイ話でスミマセン)
今回は、私たちの仕事と社会福祉法について、皆様と一緒に考えてみたいと思います。
社会福祉法は、「社会福祉を目的とする事業の全分野における基本事項を定めた法律で、福祉サービスに係わる者にとって非常に重要です。
 
★ 社会福祉法 第3条 【福祉サービスの基本的理念】
福祉サービスは、②個人の尊厳の保持を旨とし、その内容は、③福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され、又は④その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するものとして、⑤良質かつ適切なものでなければならない。」
 
 ① 私たちの仕事は、福祉サービス業です。
 ② 憲法第13条 【個人の尊重・幸福追求権・公共の福祉】
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
 ③ 利用者が心身ともに、安心、安全、健やかで、幸せに過せるよう、支援する。
  ※上記「親の望み」 ❶ & ❷
 ④ 利用者の能力を最大限引き出し、自立を支援する。 ※上記「親の望み」 ❸
 ⑤ 支援員が協力・連携して、最強のチームワークで最高の支援サービスを提供する。
 
★ 「サービス業
「お客様にサービスを提供する業種」のこと。もともと「サービス(Service)」は、「接客」「貢献」「奉仕」「役に立つ」などの意味があります。人や環境のために尽力し、相手や状況に合わせて求められていることを行うこと、世話をすること、という意味も持ち合わせています。
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.4
2020-10-21
 「油断大敵、火がぼうぼう」という言葉を、私は、「油断していると火事になって火がボウボウと燃え広がってしまうので、気を緩めてはいけない」と思っていました。ところが、「油断大敵、火が亡亡」と書くそうです。「火をともしている時に油が切れると火が消えてしまうので、気を抜いてはいけない」という意味だそうです。
⇒いずれにしても
コロナ対策は、油断大敵!気を引き締めて「感染ゼロ」を更新し続けましょう!
 
■7月から9月までにお伝えしましたことをまとめますと、
 1.<利用者と支援員の関係>
 ①「利用者の幸せは、支援員の幸せ」
 ②「利用者あっての支援員」
 ③「支援するのは、支援員」
 
 2.<経営理念(経営に関する根本となる考え方)>
 「全職員の物心両面の幸福を追求し、利用者にとって、最良のチームワークで、最善の支援サービスを提供します」
 
 3.<目指したい組織像>
・全職員が希望と誇りを持てる法人
・職員同士が信頼し合い、協力し合い、全エネルギーを利用者に注ぐプロのチーム
・全職員が安心して、楽しく、長く働きたいと思える職場
・入所希望者(利用者・保護者)に選んでいただける事業所
・地域の人たちと共に支え合う会
・自治体、行政機関、取引先、同業者等に信頼される法人
 
■今回は、経営理念を実現するための基本方針をお伝えします。
・全ての職員がいちょうの会の構成メンバーとして、法人全体、事業所・職員間の連携協力を深め、総力を結集します。⇒「オールいちょうの会」
・職員各自が主体的に法人を支える役割を担う、全員参加型の経営をめざします。
・コスト意識を高め、継続的な収益構造の安定化に努め、健全経営をめざします。
・自由闊達に話し合え、明るく楽しい風通しのよい職場環境をつくります。
・安心、安全、快適な環境整備に励み、事故ゼロ、感染ゼロをめざします。
・社会福祉法第3条に規定された「福祉サービスの基本的理念」を尊重します。
 
※第3条:福祉サービスは、個人の尊厳の保持を旨とし、その内容は、福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され、又はその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するものとして、良質かつ適切なものでなければならない。
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
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<<社会福祉法人 八王子いちょうの会>> 〒193-0834 東京都八王子市東浅川町666 TEL:042-673-8055 FAX:042-673-8054