社会福祉法人八王子いちょうの会からのお知らせ

社会福祉法人八王子いちょうの会からのお知らせ
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理事長だよりNo.37
2023-07-20
パート職員さんとの面談について
 5月下旬から7月上旬にかけて、パート職員の皆さんと面談を行いました。今年で4回目になりますが、年々、職員の皆さんが力強くなってきていると感じました。
  特に印象に残ったことは、職員の皆さん一人一人が誠実に利用者に向き合い、真面目に仕事に取り組んでいることです。皆さんの熱意と行動が個々の支援力、そしてチーム力を強くし、事業所、法人全体のパワーアップにつながります。
 
 
■事前レポートの設定項目
今年は、「仕事の仕方の振り返り」というテーマで、私が日頃仕事をしていく中で重要と考えている、10項目を設定して、皆さんに仕事の仕方を振り返ってもらいました。
【振り返りに関する設定項目10】
①明るく、笑顔で、あいさつや声掛け、会話をしているか
②相手の話を聴くようにしているか
③一方的に、自分の考えを主張したり、相手の意見を否定していないか
④自分の意見を持ち、会議等で発言しているか
⑤自主的に知識や技能の向上に励んでいるか
⑥支援メニューや業務改善を提案しているか
⑦チームワークを大事にして、メンバーと協力、連携しているか
⑧風通しのよい職場づくりに努力しているか
⑨社会人として、また組織の一員として、規則を守り、節度ある行動をしているか
⑩ストレスを溜め込まず、適度に発散し、安定した精神状態をキープしているか
【各項目の特記事項】
①:対人関係上、基本中の基本 ②と③:円滑で気持ちよい対人関係づくりに必要  ④⑤⑥:仕事への取り組み姿勢で自主性や自発性を尊重。⑦⑧:チームワークと風通しの良い職場環境づくりのどちらにも当事者として努力が必要 ⑨:社会人として、職場の構成員としての意識と行動が重要 ⑩:ストレスとどうつきあうか
 
■事前レポートの回答傾向
  • 10個の設問に対する自己判定なので、他者との比較はしません。
  • その回答傾向は、各自の考え方、感じ方、人柄、性格、自己肯定感、対人関係、職場環境等が影響していると考えます。 全体的な傾向としては、項目①②③の評価が高く、④⑤⑥が低くなり、⑦⑧⑨でまた高くなっています。⑩は、性格の違う設問でした。一言で、④⑤⑥が凹んでいます。仕事への取り組み姿勢に関する設問の自己評価が低い傾向になっています。
■自由表記から  
 事前レポートでは、振り返りに関する補足事項や日頃考えていること、提案、希望、要望、チャレンジしたいことなどを自由に書いてもらいました。その中から、いくつかをご紹介します。
  • 10項目のチェックで振り返ると、今ある自分の課題が浮き出るように目に見えたので、効果があるものなんだなと再認識しました。
  • 「仕事は慣れた?」と聞かれたときに考えることが多々ありました。一日一日、利用者さんの気持ちや体調などが変わっていく中で、『慣れ』って怖いなと感じていました。この利用者さんはこうだ!あれはどうだ!と思っていても、100%そうではないし、やっぱり慣れって、私にはダメだな。 この先、むしろ慣れないようにしようと感じていました。
  • 3年半実務経験をしたので、これからは、福祉障害者、高齢者)について学ぼうと思う。実務者研修等を受講し、知識を深めることを心掛けたい。
  • 利用者さんと楽しめることを考えながら活動する。
  • 利用者さん同士がもっと接し合って活動できる事業所にしたい。利用者さんにその力をつけてほしい。そういう支援をしたい。
  • 対人関係で一番エネルギーを使っています。お互いの考え方や思いをそれぞれ言える現場でありたいと思っていますが、これがなかなか難しく悩んでいます。
  • 支援はチームで行うもの、時として耳の痛いことを言い合うこともある。私自身、それで凹むこともあるが、自分の成長の為に真摯に受け止めたいと思っているが、何か言われると責められたと感じる同僚も居て、伝え方を工夫しているが、まだまだ難しいと感じている。
■面談の中の会話
 週1日勤務の職員さんが、「私は週1日ですから」と言いました。私には、やや遠慮気味に、また、控えめに聞こえました。
 私は、「週1日の人は、週5日の人より利用者の変化に気づきやすいこともあるはずですよ。」と答えました。一方、週5日の人は、日々の変化を毎日見るチャンスがあると思います。
 勤務日数が違う人たちがチームを組んで、利用者と付き合い、各々の視点や角度から観察して、気づきを共有して、利用者にとって、バランスの取れた最高の支援を提供できればよいと思います。
 「職員一人一人に、その人ならではの存在価値と役割があります。」と、伝えました。
 「山は、いろいろなルートから登った方が、
一本の道を登るよりも山全体の景色が見える
      ~あるお笑い芸人「有吉の壁」6.28放送より
 
 
 
社会福祉法人 八王子いちょうの会
 
理事長 山川 徹

 
 
理事長だよりNo.36
2023-06-20
おかげ様で「理事長だより」3周年
「理事長だより」を発行して丸3年が経ちました。これを始めたきっかけは、理事長になってから1年が経ったとき、皆さんに私のことを知ってもらうには、まずは、私の方から皆さんに、私が考えていることや感じたことなどをオープンにお伝えした方がよかろうと思ったからです。いざ、始めてみると、やめられなくなってしまい、毎回、何について書こうかと頭を捻っていますが、自分の考えをまとめて、文章にする訓練ができることはよいことだと思います。くれぐれも自己満足にならぬよう、みなさんからご意見やご感想をいただければ、ありがたいです。皆さんにとって、何かの足しになれば、うれしいです。今月もいくつかお伝えしたいと思います。
 
今、考えていること
八王子いちょうの会の起源は、60年前に発足した、「八王子市手をつなぐ親の会」に遡ります。当会は、八王子市の障害者向け福祉行政においてパイオニア的存在であり、八王子市の中では、「老舗」の部類に入ると言えましょう。
 社会福祉関連法制や福祉制度の改革、それに伴って福祉行政も変遷してきました。近年、福祉業界への参入業者の増加、業者間の競合、他業者との差別化、利用者による通所先等の選択など、当法人を取り巻く環境は、変貌を遂げています。
 現在、私たちは、生活介護分野:東浅川、みらい、虹、ぎんなん、多機能型:ゆぎ、就労継続支援B型:そら、共同生活援助:アイビー、わっしょい、短期入所:ふふふ、加えて、移動支援を行っています。
 私たちの社会的な使命は、当法人が存続し、利用者にとって最良の支援サービスを提供し続けることです。
 そのためには、健全経営はもちろんのこと、現在の事業基盤をより一層強固にするとともに、既存の事業を補完し、相乗効果を発揮できる新規事業分野を開拓する必要があると考えます。   
 具体的には、現行の事業と関連性のある事業分野として、相談支援、行動援護、重度訪問介護等に関心があります。これらの事業に関する調査、情報収集、事業化計画、専門事業者との連携など新規事業としての実現可能性を検討してみたいと思います。
 特に相談支援事業に関しては、相談事業所開設に関して、調査や情報収集などの準備を始めたいと考えています。
 
自己啓発活動の第1回結果発表
 昨年11月から、「自己啓発活動に対する報奨金に関する規程」が適用になり、夏季賞与時に報奨金が支給されました。
[該当者]
✹「行動援護従事者養成研修課程」修了
 ・XX さん 
 ・YY さん  
✹「重度訪問介護従事者養成研修統合課程」 
  修了 
 ・XX さん 
 ・YY さん 
***********************************
※「行動援護」と「重度訪問介護」は、今後、法人の新規事業分野として関心を持っています。
今回、グループホームからの二人が両方の研修課程を同時に修了されました。すばらしいしです。 
 
自己啓発対象に「実務者研修」を追加
「実務者研修」※を自己啓発活動の対象に追加し、終了者に、報奨金、 万円を一時金として直近の賞与時に支給します。
 ※東京都知事の指定を受けて行う社会福祉
  士及び介護福祉士法に基づく実務者研修 
[該当者]
 ・XX さん 
 ・YY さん 
 ・ZZ さん
***********************************
※実務者研修もグループホームから3人の方が
 終了されました。頑張ってますね!
 
■自己啓発活動の対象となる研修等は、上記に限定していません。対象になるか否かは、事前に判定しますので、受講前に、所長または事務局にご確認ください。
 
今月の一言
あいさつは、「語先後礼
ポイントは4つ。
①声のトーンや表情を「明るく」し、好意を示す。②気が向いた時だけではなく「いつも」行う。
③自分から「先に」声をかけることで、気持ちよく会話にもつなげられる。④そして会話を「続ける」  ※「現代礼法
研究所」岩下宣子氏
(2023.4.28 読売新聞)
 
 
社会福祉法人 八王子いちょうの会
 
理事長 山川 徹
 
 
理事長だよりNo.35
2023-05-20
今期の委員会活動がスタートしました
4月より今年度の委員会活動として、☆防災・防犯委員会、☆広報委員会、☆ワークサポート委員会がスタートしました。
 今年も委員会活動を積極的に推進したいと思います。そして、推進するのは、職員の皆さんです。
  1. 私は、委員会活動は、「自主活動」と考えています。この自主活動を通じて、職員の自主性(自分で考え、自分から進んで動く)、協調性(チームワーク)が強化されることを期待しています。委員は原則、立候補制で募集しています。これも自主性を高めたいからです。「私がやります」と、手を挙げてもらいたいです。また、非常勤の方にも委員になってもらいたいと思います。昨年は、広報でXXさん、防災・防犯でYYさんが委員長に立候補して、先輩の委員にも支えられて、委員長を務めました。この二人を始め、委員会活動を通じて、自信をつけて、活発になった委員がいます。 すばらしいことです。
  2. 委員会活動は、法人にとって必要かつ重要な業務課題を全事業所が協力・連携して取り組んでいます。委員だけの委員会活動ではありません。皆さんが参加する、「全員参加」の活動です。他事業所の職員との交流の機会も増えます。
  3. 委員を紹介します。 
  • 防災・防犯: 災害や犯罪から利用者・職員を守る委員会です。 
  • 広報: 利用者、保護者、職員、関係団体等に、八王子いちょうの会のことを知ってもらう委員会です。(以下省略)
  • ワークサポート: ワーク(仕事)をサポート(支える)する委員会です。仕事の悩みや困っていること、知りたいことなどをみんなで「ああでもないこうでもない」と話し合って、息抜きしながら、改善策を見つける委員会です。(以下省略)
5月20日に八王子駅放射線通りで、福祉まつりが開催されました。ZZさんが実行委員長として、がんばっていました。いちょうの会からは、東浅川が出店し、日頃の創作活動の作品を販売しました。売れ行きも大変好調で、よかったです。参加された職員の皆さん、ご苦労様でした。おかげさまで、来店された方々と何年かぶりにお会いして、話ができて楽しかったです。
来年は他の事業所の出店を期待したいと思います。
 
サイボウズを導入、使ってください
4月から事業所毎に「サイボウズ」の職員用ⅠDPWを配布しましたので、使用できます。是非、ログインしてみてください。
 サイボウズでは、次のようなことができます。
☆法人内でのメールの送受信、☆各種文書の保存と閲覧、☆掲示板に連絡事項や外部研修案内等の掲示、☆スケジュールで行事の確認・調整など、皆さんの仕事に役立ちます。また、☆支援に関するテーマを設定して、事業所内で意見の書き込みや情報の共有ができます。
 私は、サイボウズを熟知しているわけではありませんが、いろいろな活用の仕方があることは確かです。みなさんもサイボウズを使って、「こんなこともできる」「こんなに便利になった」など、活用の仕方を教えてください。
※サイボウズに関するお問い合わせは、所長・副所長、または、システム管理者の AAさんとBBさんまで
 
「頭が固い、柔らかい」 について
■「あの人は、頭が固い」は、どんな時に使いますか? 
 頑固者、融通が利かない、人の話を聴かない・・・・・、 
 否定的な意味合いが多いようです。
頭が固い、柔らかいについて考えてみたいと思います。但し、どちらが良いとか悪いとかということではありません。
■まずは、「石」と「スポンジ」に水をかけるとしましょう。石は、水をはじき、スポンジは、水を吸い込みます。 石を固い頭、スポンジを柔らかい頭に例え、水を情報に置き換えてみますと、石頭は、情報を遮断し、柔らか頭は、情報を吸収すると言えましょう。 
■ひとまず私自身の頭の固さは棚に上げて、頭の固い人の対人関係について考えてみます。 
 あくまでも一般論ですが、頭の固い人は、固定観念や先入観が強く、自分と違う意見や考え方を受け入れず、否定する傾向があります。 一方的に自己主張し、自説を曲げず、相手との歩み寄りもしないで、否定していたら、良好な対人関係は期待できません。
■「頭に血が上る」、「頭に来る」、また、カッとなったときは、頭が固まっています。そのようなときは、一瞬でもいいので、「自分の頭の固さ度合は、温度に換算して、0℃~100℃の間で、何℃度位だろうか?」と考えるとよいと思います。100℃は、何も周りが見えない、虐待にもつながりかねない、「超ヤバい」状態です。
対人関係は、相手がいることです。  
 相手の気持ちも考えずに、自分の体験に固執し、自慢し、自説を押し付けているときも、「石頭状態」でしょう。    
 ☆自分の言動を相手はどう受け止めているだろうか?   
 ☆自分も言うけど、相手の言い分も聞こうじゃないか!
 といった柔らか頭が必要だと思います。
以上、自戒の念をもって!
 
 
社会福祉法人 八王子いちょうの会
 
理事長 山川 徹
 
 
理事長だよりNo.34
2023-04-20
読売新聞の「編集手帳」に、チームワークに関する記載がありました。
    納得しましたのでご紹介します。今月は、チームワークについて考えてみます。
 
  英単語のチームは古代、「家族、子」といった意味があった。そこから現在の意にいたったそうだが、プロ野球の名将・野村克也氏が選手らに言い聞かせた語源はなかなか説得力がある。 
◆TEAM、これすなわち、Together(一緒に)Everyone(みんなで)  Achievement(達成する)More(より多くのこと)ーーの頭文字を並べたものだという。どんな団結力をみせるのか、侍ジャパンの戦いが始まる。
◆WBCの初戦、中国との試合に大谷翔平選手の先発が発表された。「世界一」という目標に向けて、しばらくはワクワクのしどおしかもしれない。
◆どれだけ優れた選手がいても勝てない。個人の力にチームワークがかけ算されなければ・・・というのが、野村さんの「TEAM論」なのだそうである。どんなかけ算が見られるだろう。思えば、昨秋のサッカー・ワールドカップ(W杯)からチームスポーツの祭典が目白押しである。 (以下省略)
読売新聞「編集手帳」2023年3月9日)より
 
    【 WBC の感想】 
私は、侍ジャパンを過小評価していたようです。 WBCで、日本が優勝し、世界一になるとは、想っていませんでした。だから日本が勝ち進むに従い、WBCにすっかりはまりました。ワクワクドキドキの連続で、楽しめました。
◆侍ジャパンがすばらしいチームだと思ったことの中からいくつかを特記します
  1. ダルビッシュ選手は、コーチさながら、若手投手陣に自分の投球ノウハウを惜しげもなく伝授しました。大谷選手は、闘志を前面に出し、チームメートを鼓舞しました。若手は、一流プレーヤの技術を積極的に吸収しようと努力していました。選手同士が交流し合って、良好な人間関係ができあがり、チームとして完成して行ったように思います。
  2. 代表選手は、皆、超一流で、各々が異なる役割を持っていました。個々のパワーをチームワークで結集し、チームのパワーを最大限発揮できたと思います。
  3. 毎試合スタメンで出場した選手もいれば、出場機会が少なかった選手もいました。チームは先発メンバーだけでは成り立ちません。どの選手もチームに必要です。
  4. 全ての選手、監督、コーチ陣が世界一になるという共通の目標に向かってベクトルを合わせることができました。
◆侍ジャパンのチームワークは、世界一です。各々の選手が、自分たちの日本チームから離れることがさびしい、もっと一緒にプレイしていたいと言っていたのが、印象的でした。
 
【支援とチームワーク】
◆我々の仕事である支援とチームワークは、ど のような関係にあるのでしょうか?
  1. 支援チームの目的は、何でしょうか? 利用者に最高のサービスを提供することだと思います。
  2. 個々の支援員が持っているパワー(考え方、知識、経験、技能、特性など)を結集して、チームワークで支援チームのパワーを最大限、発揮すること。さらに、個々の支援員もチームも日々進歩し、向上することが重要です。
  3. チームワークを高めるには、チームメンバーが互いに理解し合い、信頼し合い、意思疎通を深め、努力を惜しまず、技能・技術を高め合うことが肝要だと思います。
  4. 支援の仕事を通じて、人として成長できた、このチームに入って良かった、と思えたら最高です。大事なことは、一人一人が、自分たちで、自分たちのチームをよくしようと努力し続けることです。
  5. 野村監督の言う、“TEAM”です。支援チームのみんなが、一緒に、より多くのことを達成するために、力を合わせる。互いに思いやる気持ちを大切にしたいです。
 
追記  
  人は、一人では生きては行けません。故に、利己主義に走らず、「利他の心」を持って、他の人と協調・協力し合いながら生きて行きなさいと、言われます。とは言え、とかく自分の都合やエゴを優先しがちです。
  人間関係は、煩わしいし、面倒くさい。そして、自分一人なら、周りに気兼ねしなくてもいい。だから、一人でいる方がいい。ときには、一人旅や「ソロ活」もいいと思うことでしょう。でも、ずっと一人では、寂しいし、味気ないし、つまらないし、・・・人恋しくなることもあるでしょう。
  一人でできることは限られます。仲間といっしょにやれば、可能性が格段に広がります。仲間との連帯感や達成感、そして喜びや感動も味わえるでしょう。
  人間関係では、ストレスゼロはありません。
  でもストレスを減らすことはできます。互いにストレスを減らす努力を続けることです。
 
社会福祉法人 八王子いちょうの会
 
理事長 山川 徹
 
 
理事長だよりNo.33
2023-03-20
八王子の桜の開花日は、3月16日で、満開予想日は、24日とのこと。
満開はうれしいですが、その後は散ってしまうので、今か今かと満開を待っている今が好きです。
 
当法人の基本理念として、「愛する幸せ 愛される幸せ」を掲げています。支援員と利用者の関係、支援の好循環、正のスパイラルについて、力点が置かれています。この言葉は、職員同士、友人など対人関係全般にも通じます。日々の支援活動の基本を共有するために、是非、職場でこの基本理念について話し合ってください。
 私が30代の頃に出会った、同年代の友人が、当時、「思わば、思わるる」と言っていました。こちらが相手のことを思いやれば、相手もこちらを思ってくれる、といった意味でした。彼がいると場が和み、笑い声が絶えませんでした。彼の周りには人間関係の好循環ができていました。人間関係の達人だと思いました。
私は、この「思わば、思わるる」は、「愛する幸せ 愛される幸せ」に通じるものがあると思います。
 
3月31日で、2022年度が終了します。閉所、クラスター発生などなどコロナ禍に明け暮れた
1年間でしたが、みなさんご苦労様でした。
 4月1日から2023年度(第14期)が始まります。この機会に、当法人の経営について、私が考えていることを皆さんにお伝えします。 
 
1.経営理念 
   ※当法人を経営する上での根本的な考え方
  全職員の物心両面の幸福を追求し、
一、利用者に最善の福祉サービスを提供します。
一、地域社会の一員として、福祉の増進に貢献  
  します。
 全職員の物心両面の幸福の追求とは、経済的な安定や豊かさを求めていくとともに、仕事での自己実現を通して、生きがいや働きがいといった人としての心の豊かさを求めて行くものです。
 職員一人一人が心身ともに安定した状態で、利用者にとって最善の支援を提供することを目指します。利用者が幸福になるには、まずは、支援員が幸福であることが前提と考えます。
 ここで重要なことは、幸福は、誰かが与えてくれるのを待つのではなく、自分たちの手でつかむことです。  
 職員一人一人の自主性、自発性、向上心、創意工夫、熱意などが重要です。 
 チームワークを大切にして、全員参加型の経営を目指します。
 
 2.事業方針
 ※当法人を経営する上での事業方針
 ◇健全経営を実現します。
•職員の物心両面の幸福を実現するために、
 健全経営を実現することが前提です。
 ◇利用者に選ばれ続ける事業所になります。
     • 利用者に、福祉サービスを提供し続けるために、 当法人は利用者に選ばれ、存続することが前提です。
 ◇チームワークを高め、風通しのよい職場を つくります。
     • 支援は一人ではできない。チーム力は「職場力」です。
 ◇自分たちの職場は、自分たちで良くします。
 ◇仕事を通じて、人として成長します。
     • 私たちの仕事は、人として成長させてくれます。
 
 
3.今期の重点課題
 ※今期、重点的に取り組みたい課題
 ◇利用者の満足度アップ 
•支援力の強化(支援に関する考え方、必要な知識、技能の向上)
•支援サービスメニューの創意工夫と充実
•個別支援計画の品質向上
•整理整頓により、活動スペースの有効かつ安全活用
 ◇チーム力の強化と職場環境の改善
•互いに尊重し合い、風通しがよく、快適な職場
•アイディアや意見をj自由に出し合い、一旦決まったら、全員で快く実行する職場
•委員会活動や各種行事への積極的な参加
 ◇人的パワー強化
•事業所間の交流
•個々人の自主性、自発性尊重と自己啓発の促進
•法人内の研修や講習等の充実と外部研修の活用
•人事制度の検討開始
 ◇利用者および保護者の高齢化への対応
•早期対応~保護者等との相談、対策実行
 ◇資金収支差額黒字キープ
•事業所の資金収支黒字キープが健全経営の前提
 ◇相談支援事業の立ち上げの検討
•利用者ニーズへの対応と福祉サービスメニューの拡充
 
4.中長期の検討課題 
   ※3年~5年のスパンで見たときの検討課題
事業所の改装、改築、新築
新規サービスの立ち上げ
他法人との連携
人事制度の立ち上げ(人事評価制度、キャリアパス制度、給与制度) 
 
〈今月のことば〉
「愛し、愛されること」がよき人生につながります。
「他人に寄り添って、喜びや悲しみを分け合うことで、心豊かに生きて行くことができると思います。
 ※日野原重明著「『長生き人生』の優先順位」
 
 
 社会福祉法人 八王子いちょうの会
 
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.31
2023-01-25
Happy New Year 2023
旧年中は、大変お世話になりました
本年もどうぞ宜しくお願い致します
 
 イソップ物語に「ウサギとカメ」の話があります。「なぜ、足の速いウサギが、ノロノロ歩くカメに追い抜かれたのか?」
 それは、ウサギが、「カメになんかに負けるわけがない」と高を括り、油断してうたた寝したからだ、と思っていました。
 今回、読み返してみて、ウサギは、単に油断したわけではなく、スタートから飛び跳ね過ぎて、疲れ果て、カメと競争していることも忘れて、長時間、泥のように眠ってしまったのではないか、と想いました。
さらなる邪推ですが、目が覚めた後、ウサギは、爽快で幸せな気分になり、カメに負けたことさえも気にならなかったのでは・・・。
 ウサギは、一休みしてよかったし、カメに圧勝しなくてよかったと、思います。
 「うさぎ年」(今年6回目)の私も、疲れたときには、ゆっくり休めばいい。疲れないように「カメ」との競争も慎もう。
 
◇新年健康第一歩  「老人歩き」
若いのに「老人歩き」する人が多いとのことです。
「老人歩き」の特徴
①体重移動がうまくできず、ベタベタ歩く「むくみ」歩き
②上半身が揺れる「体幹ブレブレ」歩き
③腕の振り方が左右違っていて、ほとんど腕を振らない 
   「肩こり」歩き
      ④ 猫背で、首に負担をかける「ストレートネック」歩き
  ⑤ 左右の高さが違う「歪み」歩き
  ⑥ つま先が上がらず、歩幅が狭い「すり足」歩き
 
正しく歩くための足裏や足首、骨盤のチェック
①目をつぶって片足立ちで立ってみてください。最低でも1分間、体を支えられたら足の裏の準備はできています。左右両方の足でやってみてください。
②左足を真っすぐ前に向けて立ち、その真ん前に右足をくっつけて立ってください。1本の線上に左右の足をつなげて立っている状態。立てたら左右を見るように目だけでなく、頭をキョロキョロと振ってみてください。ブレずに立っていられたら、(中略)安定した歩き方に必須の筋肉がちゃんと働いています。
③両足を揃えてしゃがんでください。次にしゃがんだまま
  1分程度体を揺らしてみてください。尻もちをつかずに
  できれば、ふくらはぎと足首の連携もできています。
  
  心配な方は、(山川)までご一報ください。
  若いのに『老人歩き』する人が全身不調になる訳」
  東洋経済オンライン 2019.12.10
 
新年に届けたいメッセージ 1
 新しい一年の始まりに、心に留めておこうと思った言葉をまとめてみました。
〈1月〉 大事なのは、今までのあなたじゃなく、
     これからのあなた。   
         エラ・フィッツジェラルド[ジャズシンガー]
〈2月〉 自分を元気づける一番の方法は、
    誰かほかの人を元気づけること
      マーク・トウェイン[作家「トムソーヤーの冒険]〈3月〉 一度ニッコリする習慣をつけてみなさい。
    きっといいことがあるはず。
                     デール・カーネギー [教育者]
〈4月〉 三流は、人の話を聞かない。
    二流は、人の話を聞く。
    一流は、人の話を聞いて、実行する。
    超一流は、人の話を聞いて工夫する。
                            羽生善治[プロ棋士]
〈5月〉 ミュンヘンでミュージシャンを雇い、演奏
    を指示したが、ダメだ。 (彼らはオレの)
    言いなりだ。 反対意見も出なきゃ、
    リライトも、不満顔もなし。
    君らが必要だ、君らも僕が必要だ。
QUEENフレッド・マ―キュリーがメンバー3人に言った。
〈6月〉 自分は一人でやるよりも、他人の助けを
     借りる方がよりよい仕事ができると
     悟ったとき、 人は偉大な成長を遂げる。
                   デール・カーネギー [教育者]
〈7月〉 他に与えるよろこびは、反射の作用
    に似ている。それは、一層輝きを増して
    あなたに戻ってくるだろう。 
                  ヴィクトル・ユゴー[詩人]
〈8月〉 人々のために曲を書くときの方が、
     そうでないときよりも、ずっと美しい曲を
     書くことができる。   
べ―トーベン[作曲家]
〈9月〉 目の前にある現実だけを見て、幸福だ
    とか、不幸だとかを判断してはいけない。
      そのときは、不幸だったと思っていたこと    
    が、後で考えてみると、より大きな幸福の
    ために必要だったということがよくあるの。
            フジ子・ヘミング[ピアニスト]
〈10月〉 長い階段をのぼる時、その階段の全て
     が見えなくても良いのです。大事なのは、
        目の前にある一段をのぼることです。
          デールマーティン・ルーサー・キング[牧師]
〈11月〉 うつむいたままでは、虹は見つからない。
          チャーリー・チャップリン[俳優・映画監督]
〈12月〉 明日描く絵が一番美しい
                          パブロ・ピカソ[画家]
 
 
 社会福祉法人 八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.30
2022-12-25
心に残った新聞記事 
 サッカーワールドカップで、ドイツとスペイン戦は日本が負けると思ったので、見ませんでした。コスタリカとクロアチア戦は、見たら負けました。
 決勝は、アルゼンチンがPK戦を制して、見事優勝しました。大変に見ごたえのある試合でした。
日本代表ゴールキーパーの権田選手に関する記事(12月6日読売新聞)をご紹介します。
 
権田「心のけが」越え
 2015年夏、絶対に弱音を吐かない、権田選手が、思いつめたように、ある信頼する友人に、「サッカーするのがしんどい。やめようと思う」とに打ち明けた。当時所属先のFC東京は、同選手がオーバートレーニング症候群になったと発表していた。練習のし過ぎで成績不振に陥ったり、心身に不調をきたしたりする症状だ。
 14年のブラジルW杯にも選ばれた期待の若手だった。・・・・・そこでは、サブの立場。招集されたGKのうち、唯一ベンチ外だった試合もある。 この年、権田選手はJ1の舞台に戻れず、翌年以降はオーストリア3部のクラブなどにも所属。18年の前回ロシア大会には代表に選ばれなかった。プレーができない時期もあり、結果を冷静に受け止めたが、悔しさもこみ上げた。
 代表に戻るーー。この思いを胸にJリーグなどで活躍。今回、日本の選手として初めて2大会ぶりのメンバー入りを果たした。 
 代表選出後の記者会見で、自らの症状を「心のけが」と表現し、「色々なことがあって、色々なところで色々な人の支えがあって、この場にいる」と話した。 
 クロアチア戦の後、「前に進み続けていることは間違いない。自信を持ってこれからもやっていく」と言った。自らを見つめることで復活した守護神は、これからも輝き続けるはずだ。
 
「老化制御」に役立つクイズ pha:100.0%'>権田「心のけが」越え
★クイズに応募して、お米を当てましょう!
【問題】 新聞記事の中にある10個の(  )内に数字や文字を埋めてください。
※文中に答えのヒントがあります。
※正解者には、抽選で、10名にお米2㎏を進呈
※回答は、本部事務局(和田)まで送ってください。
  ①ファックス:042-673-8054
  ②メール:info@ichounokai.or.jp
  ③ショートメッセージ:080-7395-3075
※回答受付期限:1227日(火)18:00まで
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来年も皆さんが若々しく元気に過ごせますように、新聞記事を紹介します
 
★ 伊賀瀬道也氏(愛媛大学病院抗加齢医学教授) による、「食と運動で老化制御」に関する講演の 新聞記事です。 (読売新聞2022年12月2日)
 
♦人生( ❶ )年時代が到来する中で、女性の平均寿命は、88歳に到達しようとしていますが、( ❷ )は75歳程度。男性の( ❸ )は81歳を超えていますが、健康寿命は、73歳程度です。この差を縮めていくことが重要になっています。
 
♦日本人の死因の第1位は、( ❹ )で、第2位が心疾患ですが、第3位は、老衰になります。明らかな病気ではなく、生理的な老化による死亡です。
 2025年には、高齢者の5人に1人が( ❺ )になると言われています。薬の開発は進んでいますが、進行を遅らせる薬はあっても、根本の治療は実現できていません。
 
♦そこでしなければいけないのが、( ❻ )の老化予防です。認知症、特にアルツハイマー型では、脳内タンパク質がたまる現象が見られます。血管が元気であれば、体の外に排出できると考えます。
 
♦一方で、認知症になる前の軽度認知障(MCI)を知っていただきたいです。物忘れはあるけれども、日常生活には支障がない状態です。放っておくと、年間10人に1人ぐらいが認知症になってしまいます。 認知症になる手前の段階であれば、人と話をしたり、外に出て運動したり、認知症に至るスピードを非常に遅らせられます。従って、早期の発見が大事です。
認知症のリスクは、早ければ早い方がいいかもしれませんが、40~50歳ぐらいがキーポイントです。
 
♦老化を抑える極意に( ❼ )があります。握力は、
寿命の指標になることがわかっていて、握力が5kg低下するごとに脳卒中の危険度が9%上がる、あるいは、心筋梗塞もリスクが7%上がります。グーパー運動や雑巾絞りのような動作で鍛えられます。
 
♦開眼( ❽ )検査というのもあります。目を開けて、両手を楽にして体に沿った状態で下ろし、左右どちらかの足で何秒立てるかを測ります。平均では、50秒程度ですが、軽度認知障害の方は、40秒程度、認知症の方は、20秒未満です。特に、近年のデータでは、10秒立てない方は要注意だというデータが出てきました。
 
♦食事では、終末糖化産物(AGES)という物質をためると、動脈硬化や糖尿病性の合併症、皮膚の老化、骨粗しょう症に悪い影響を及ぼします。軽度認知障害と判定される割合も非常に高くなります。 
 そのための食生活では、茶色に気をつけてください。 おこげの部分です。順番も大切で、
( ❾ )が先で、次に肉や魚のタンパク質、最期に炭水化物にすると、終末糖化産物が増えるスピード遅くなります。運動、禁煙、睡眠は終末糖化産物をためないためにも重要です。 
 
♦歩くことに関しては、動脈硬化や心臓の病気の予防に、できたら1日( ❿ )万歩とよく言われますが、認知機能や脳の健康という観点からは、まず4000歩以上をお勧めします⦿
 
 
 社会福祉法人 八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.27
2022-09-20
今月の本 「死ぬとき幸福な人」に共通する7つのこと ホスピス医 小澤竹俊
 
 この本を読んで、私が「余命何年」と宣告されたら、どうなるだろう?と考えました。 私は、やり残したことや心配ごとで、頭の中がいっぱいになり、絶望感に打ちひしがれてしまうでしょう。自暴自棄にもなるかもしれません。もしも気を取り直すことができたら、一日一日がとても貴重に感じるでしょう。残りの時間が少なくなるほど、一日の重さが増すことでしょう。
 この本には、後悔のない人生を送り、ずっと幸せに生きるための心得として、「死ぬとき幸福な人」に共通する7つのことが書かれています。私は、最期に自分の人生が幸福だったと思えれば、幸福だったのだろうと、大雑把な考え方をしていましたが、幸福な人生を送るには、日々のプロセス(過程)が大切で、今日一日を「一日一生」と考え、「7つのこと」を実行して行こうと思います。(山川)
 
(1) 著者が3,000人の患者さんから学んだこと   
 
 私は24年前から緩和ケアの現場で働き始め、今まで3000人以上の患者さんの人生の最終段階に関わってきました。自身の死が目前に迫ったとき、多くの患者さんは、「自分には時間がない」「明日はこないかもしれない」という思いに苦しみます。人は「明日がある」と思っているからこそ、夢や希望を抱くことができます。つまり「明日がない」というのは、究極の絶望なのです。
 患者さんやご家族と接する中で、私もたくさん悩み、苦しみ、多くのことを学んできましたが、Nさんもまた、あまりにも大事なことを、あらためて私に教えてくれました。それは、「人は、人生を終える段階の瞬間まで、輝くことができる」ということです。(中略)  
 患者さんたちは、死を前にして人生を新たにやり直し、心の安らぎと穏やかさ、真の幸せを手に入れるのです。 p.7-8
 
(2) 「死ぬとき幸福な人」」共通する7つのこと
 
 患者さんたちの姿をみて、私は、人がこの世を去る瞬間まで幸福に生きるためには、
 
  ①自分で自分を否定しないこと
  ②いくつになっても、新しい一歩を踏み出すこと
  ③家族や大切な人に、心からの愛情を示すこと
  ④一期一会の出会いに感謝すること
  ⑤今、この瞬間を楽しむこと・・・・・・・・・・・私は、「楽」が足りていないかな?
  ⑥大切なものを他人にゆだねる勇気と覚悟を持つこと
  ⑦今日一日を大切に過ごすこと・・・・・・・・・・大切に過ごすには、どうすればよいか?
 
 が大切なのではないかと思うようになりました。
 この7つを心に留めておくことで、人生においてどれほど思いがけないことが起ころうとも、穏やかに生きることができると、私は信じています。  p.9-10
 
(3) 「人生を幸福にする7つの質問 」(著者作成)  
 
 この質問は、みなさんにこれまでの人生をあらためて振り返っていただき、何らかの発見をしていただければ、と思いを込めて作りました。  
  ①質問に対する答えは、長く書く必要はありません。 短い言葉でかまいませんので、
   心に浮かんだ思いを素直に書き出してみてください。
  ②すべての質問に答え終えたら、回答内容や気づいたことなどを、自分自身や、大切な家族、
   友人などへの手紙という形にまとめてもよいでしょう。
 現在、何らかの悩みを抱えていらっしゃる方、自分自身や自分の人生を肯定できずに苦しんでいらっしゃる方が、強く幸せに生きていく力を得るうえで、この質問が少しでもお役に立てたら、こんなに嬉しいことはありません。
 
【質問1】 これまでの人生で、幸せだと思ったことは何ですか? あなたは、どんな人生であれば「良い人生」だったと思えるで しょうか?
*******************************************************************************
【質問2】 「やり残している」と感じ、後悔していることを書いてみましょう。そのうえで、誰かにゆだねられることがないか、考えてみてください。
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【質問3】 もし大切な人にメッセージを残すなら、どんなことを伝えたいですか? 人生で強く記憶に残っていること、学んだことなどを書いてみましょう。
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【質問4】 あなたが今、判断に迷っていることを一つ、書いてみてください。「あなたが相談したい相手」は、どのような答えを出すと思いますか?
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【質問 5】 今までの人生を振り返り、誇りに思えることを書いてみま しょう。
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【質問6】 あなたが今、遠慮していること、我慢していることを書いてみましょう。その中で、あなたが遠慮や我慢をやめ、手放せるものはありませんか?
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【質問7】 どのような状況で、人生にどんな感想を抱いて、この世を去りたいですか? 思いつくままに書き込んでみましょう。
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 本書に書かれている「7つのこと」は、私たちの人生を豊かにするために、大切なことです。
また、利用者支援、職場での人間関係、心と身体の健康など、日常活動においても必要なことです。
いざ、実行するとなると、結構むずかしいと思いますが、試してみてはいかがですか?
 
 
■ 前回は、「我慢して生きるほど人生は長くない」という本に書かれていることから、私にとって、興味のあること、気づいたことなどをまとめました。
  Ⅰ. 一度の人生、自分の人生の主役は、自分です。
   自分の人生とは、自分の「物語」のこと。物語の脚
   本を書くのも自分です。自分で書いた物語に納得
   して生きることが大事です。
  Ⅱ. 「自分の人生」(=自分の物語)を生きるには、
   良好な人間関係が必要です。そのためには、自分
   と他人との境界線を意識して、自分の領域を守るこ
   とです
  Ⅲ. 好ましい人間関係とは、「フェア」 ”Fair” (公
   平)な関係です。「フェア」とは、お互いの境界線を
   意識し、各々の領域を尊重し合うことです
  Ⅳ. 自分の領域に他人が侵入してきた時には、しっかり 
   と自分の領域を守ることが大事です。
   但し、「No」の伝え方には、注意が必要です
  Ⅵ. 風通しのよい職場をつくるには、その構成員が「フェア」な人間関係を築く努力が必要です
  •自分のルールで生きることは、大切にしたい人たちと、お互いにラインオーバーしない
  心地よい距離感で、自分の都合も相手の都合も大切にし、譲り合い折り合いながら柔軟に
  つきあうことであり、お互いに自分と相手を守りいたわり合うことです。
  •一方で、「自分は完全に正しい」「自分は完璧だ」と思うことは、自分だけを守ることで
  あり、変化を拒絶することであり、他人との譲り合う可能性をなくします。p.229
                    
 
 3千人以上を看取ってきた医師が見つけた 本当に後悔のない人生をおくりずっと幸せに生きるための心得とは――。 病いや不幸を得たり、大切な人を亡くしたりしたとき、多くの人は「幸せ」とは何かと悩みます。 ですが、たった7つのことに気がつけば、幸福に生き、穏やかな最期を迎えられる。私はそう患者さんから学びました。 それまでどれほど後悔の多い人生を送ってきたとしても重い病気を抱え、「なぜ自分だけが」と言いようのない苦しみを抱えているとしても。 人は、どんな状況からでも人生をやり直せ、新しい一歩を踏み出せるのだと彼らが教えてくれたのです。 死に直面してですら、幸せだと思える人たちに共通する7つのこと。 この世を去って行った患者さん、一人ひとりが教えてくれた「幸福な人生の過ごし方」をきっかけにみなさんが今日から少しでも幸せを手にしていただければ望外の喜びです。
 
 社会福祉法人 八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.26
2022-08-20
 
今月の本 『我慢して生きるほど人生は長くない』(鈴木裕介著 心療内科医)
 
「我慢して生きるほど人生は長くない」このタイトルに引かれました。
この本には、著者の人として、また、心療内科医としての体験と知見に基づいた、「生き方」に関する実践的なアドバイスが書かれています。
人生はたった一度。「自分の人生」を生きることが大切で、そのためには、まず、人間関係を見直すことと、著者は書いています。
私は、「フェアな人間関係」という言葉に興味を持ちました。それは、自他ともに幸福になるためのキーワードだと思います。
※今回は文字数が多くなりましたが、それでもわかりにくい点が多いと思います。もっと知りたい方、関心のある方には、この本をお貸しします。
 
 
一度の人生、自分の人生の主役は、自分です。自分の人生とは、自分の「物語」のこと。物語の脚本を書くのも自分です。自分で書いた物語に納得して生きることが大事です。
 
  • 自分の物語に納得することは、自分を肯定することとほぼ同義語です。
  • ありのままの自分の人生を「これでいい」と肯定できないと、自分以外の誰かの価値感やルールを中心に生きざる得ません。
  • 私が暫定的に定義している「幸せな状態」とは、「自分が紡いだ自分の物語に自ら疑念や欺瞞を   抱くことなく、心から納得し、その物語を全力でコミットできること」ではないかと思っています。p.8
 
「自分の人生」(=自分の物語)を生きるには、良好な人間関係が必要です。そのためには、自分と他人との境界線を意識して、自分の領域を守ることです
 
  • 人間関係のあり方やルールを見直し、好ましい人間関係を増やしていく上で、(中略) 心がけてほしいことがあります。それは、「自分と他人の間の境界線をきちんと意識し、守る」ことです。
  • まず、人間関係のあり方を見直すことです。人生において、もっとも重要でもっとも厄介なものは、人間関係だからです。p.29
  • あなたの心(思考)や身体、生活、人生などは、あなたが責任をもって守るべき領域です。
  • 一方、家族や友人など、どれほど親しい間柄であっても、他人の心や身体、生活、人生などは、その人が責任を持って守るべき領域です。p.33
 
好ましい人間関係とは、「フェア」 ”Fair” (公平)な関係です。「フェア」とは、お互いの境界線を意識し、各々の領域を尊重し合うことです
 
  • 好ましい人間関係は、とにかく公平(フェア)で穏やかです。
  • 価値観を一方的に押し付けられることも、ミスや欠点を過剰に責められることも、片方だけが損をするような不公平な取引を持ちかけられることもありません。p.30
 
自分の領域に他人が侵入してきた時には、しっかりと自分の領域を守ることが大事です。但し、「No」の伝え方には、注意が必要です
 
  • 境界線が正しく機能している人、他人によって境界線を侵害された(それを私は「ラインオーバー」と呼んでいます)ときに、きちんと対処できる人の心の中や生活、人生は、自然と、その人にとって「良いもの」「快いもの」を中心に構成されるようになります。p.37 
  • そもそも、どういう状態が「ラインオーバー」なのかわからない場合は、自分の「快・不快」の感覚や、相手とのやりとりの後に感じる「もやもや」とした気持ちをに注目するといいかもしれません。p.45
  • 一度、自分がもやもやしたり、不快に感じたりした事柄について、率直かつ客観的な意見を言ってくれそうな、信頼できる第三者に相談してみましょう。p.58
  • 自分と他人の間の境界線を意識し、自分からラインオーバーしないこと、相手からラインオーバーされたときにはきちんと「No」をつきつけ、自分の領域を守ることが必要です。p.53
 
風通しのよい職場をつくるには、その構成員が「フェア」な人間関係を築く努力が必要です
 
  • 大事なことは、目指すゴールが「お互いにとってよりよい状況」であるという点です。p.80
  • あなたと上司、あなたと同僚も、互いの利益、互いの幸福のために、フェアに時間や労働力、能力、アイディアなどをトレードし合う関係にあるべきです。それこそが健全で公平な人間関係だと、私は思います。p.103
  • 自分のルールで生きることは、決して「他人のことなどおかまいなしに、わがまま放題にふるまい、すべてを自分の思い通りにすることではありません。自分のルールを振りかざし、周りに自分勝手な要求ばかりつきつけ、他人に我慢を強いるのは、他人の領域へのラインオーバーです。
  • あなたが自分ルールで生きるために、他の人が自分のルールで生きるのを妨げてはいけません。 お互いが、自他の境界線、自分の領域と他人の領域を尊重し合い、公平な関係性を保とうと努力する。それは、全員自分のルールで生きていくうえで、とても大事なマナーですp.154
  • 自分のルールで生きることは、大切にしたい人たちと、お互いにラインオーバーしない心地よい距離感で、自分の都合も相手の都合も大切にし、譲り合い折り合いながら柔軟につきあうことであり、お互いに自分と相手を守りいたわり合うことです。
  • 一方で、「自分は完全に正しい」「自分は完璧だ」と思うことは、自分だけを守ることであり、変化を拒絶することであり、他人との譲り合う可能性をなくします。p.229
 ★自分の人生を生きる!言うは易く、行うは難し
 
中堅研修報告書を読んで
 
提出された「中堅研修報告書」を読みました。前向きに受講されたことが伝わって来ました。考える機会や気づきを得ることができました。紙面の制約上、本の一部を掲載します。
なお、目を引いた箇所に下線を引きました。
 
今回研修で、コミュニケーションのスキルアップとして、「アサーション」というバランスの良い話し方や態度についてとても共感を持ちながら聞きました。
日頃の支援の中で、私は、このような会話を意識し、意図的に使うことがあります。ただ全ての会話において、できているわけではありません。日々の声掛けの中で反省すべき点も、研修の中でいくつも浮かんできました。少しずつでも日々の声掛けに活かしていきたいと思います。
★ 人間性のあるリーダーをめざしてというお話の中で「リーダーの実践」~重要な声掛けで、「ちょっといいですか?」という話を聞き、これまで何か悩んだりしている人たちは、皆、必ずこの言葉を言っていたな・・・と。講義でもあったように多忙時でもこの言葉の聞き逃さず、後にせず受け止めていきたいと思います。
 
 日頃の「声掛け」は大事です。メンバーから発せられた言葉を感度よくキャッチしたいと思います。特に多忙の時!
 
福祉は人と密に接する仕事であり、相手に与える印象は本当に大事だと日々の支援で実感しています。。態度や傾聴と伝え方、コミュニケーション。相手にどのように映っているか、どのように伝わっているかを想像する。
★支援者側の自己満足だとか、お互い様を忘れてどちらかの一方通行にならないように。そして、利用者皆様はそれぞれの個性や日々に変化や成長もあります。その内面をしっかり見つめることを怠らずに信頼関係を築き、またそれを継続していきたいです。
信頼関係は、利用者に対してのみではなく、職員同士でも同様だなと感じています。今回の研修で学んだことをスキルとしてというよりも自然に湧き出るようになれば、さらに理想的です。
 
 相手の視点に立って、客観的に自己評価すること、利用者同様、職員同士もと信頼関係が、大事なことと思います。
 
支援中、何気なく腕を組んでしまうことがある。(中略)支援者が自らの癖に気付くことが大事であると痛感した。
★ 心地よい「言葉づかい」はお互いに気を付けていくことが重要であり、必要である。逆に気を遣い過ぎると言葉が出ず、上手にコミュニケーションを心がけることに苦痛を感じてしまう人もいると思う。お互いに気持ちを込めて接することで、会話を楽しめる関係性を築いていきたい。
 
 良好な人間関係に「言葉づかい」「気遣い」は大事です。但し、行き過ぎて、疲れないように、自然体でありたいです。
 
ストレスは誰しも感じることである。日頃から意識的にストレスを発散する習慣を身に着けるべきかもしれない。
ストレスの原因となる事柄をたとえ小さな事でも書き留め、それを発散させるために何をしたいのか書き出す。
 
 良い考えだと思います。悩みや問題を文字にすることで、思考を「外在化」し、客観的に考えられるようになります。
 
内容は、以前の研修でも聞いたことがあったことだったが、改めて意識し直すいい機会になった。
だが、「そうだ、そうだった。」と思い出して意識し直すことが研修の成果となってはいけない。研修の成果は、実際の言動、職場での生活、そして支援に表れて来なければいけない。
日々忘れずに、常に意識して実践していくために、毎日、一日の自分を振り返る時間を設けたい。(中略)それを職場にいるうちにしよう。夕方のミーティングで話し合うことは、ほとんど利用者のことに限られているが、そこで自分のその日の言動、支援について思うことがあれば、言い、仲間に助言をもらう、ということをしてみようかと思う。それが広がって(夕方のミーティング時にそのための時間がたくさんれないだろうが)職員、互いの言動、支援についても話し合い、反省し合い、高め合い・・・と言うことができていけるといいなと思う。
 
 研修へのしっかりした取組姿勢がよいと思います。その日の内に振り返り、職員みんなとシェアし、高め合う。
 
何気ない行動ひとつが周りを不快にさせたり、誤解を与えたりすることにもなることは、忘れずにいたい。特に腕組みは、昔から癖になっていてよくやってしまうので気をつけたい。
仕事上、ある程度他者との関係ができてくると、親しみを込めてフランクな言動も出てくるかもしれないが、あくまでも「他者」と接しているという意識を忘れてはいけない。利用者・職員ともに家族ではなく、信頼関係が築かれたとしても、しっかりと一線を引いた関わりを維持していくことで、自分と周囲との関係を客観的に確認できる状態でいることが大切であると思う。
★ 人によって価値や感覚の違いはあっても当然で、違いがあるからこそ多様な人間や社会が生まれて存在していくことは言うまでもない。
★様々な報告や意見が耳に入ってくるが、自分の価値観だけで話を突っぱねたり、否定することは、できるだけしないよう心掛けている。とは言え、相手の主張を全ての飲むことも正しい判断とは限らず、いかに相手の気持ちを受け止め、こちらの意見にも納得させられるかという視点がコミュニケーションでは必要になってくる。
★「人を変える」ことは限りなく不可能に近く、果てしない労力が必要である。ともすれば、考えを変えさせようと思った相手でなく、自分自身が潰れてしまうことにもつながる危険な行為だと思う。相手を直接変えようとすることではなく、自分が変わっていかなくてはと思わせる、納得させられる環境づくりをしていくことが求められているのだと感じた。
 
 自分と他人の領域の境界線を認識した上で、相互に尊重し合うこと、「フェア」公平な人間関係が大事です。また、コミュニケーションは、相互に理解し合うために必要です。
 
 
今月のことば: 森 英恵さん
「自分の人生は、自分でデザインしたい」
 
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
 
理事長だよりNo.25
2022-07-20
 
今期の「経営指針」について
 
基本理念:
「愛する幸せ、愛される幸せ」 があります。この理念を実現して行く上で、法人が進むべき方向を示そうと、経営指針を定めました。
 
★皆さんに「経営指針」をご理解いただき、共有したいと思います。ご意見や感想をお聞かせください。
 
■支援員と利用者との関係
利用者の幸せは、支援員の幸せ
「支援してあげるでもなく、支援してもらう」でもない、上下も境界線もない、双方向の関係で、片方だけ幸せはなく、双方が幸せになるべきです。

利用者あっての支援員
利用者がいるから、支援員が存在する。
利用者への感謝の気持ちと謙虚な心が大切だと思います。

支援するのは、支援員
支援員がいるから、利用者は支援を受けられる。利用者に最善の支援を提供するには、支援員が安定した、ハッピーな状態で支援に当たることが大事だと思います。
 
■経営指針
全職員の物心両面の幸福を追求し、最良のチームワークで利用者にとって最善の支援サービスを提供する。
 
■経営指針を実行する上での重要事項
★ 職員の皆さんが「自分たちの法人や事業所、職場は自分たちで良くする」といった、 自主性・主体性と参画意識を伸ばすこと。
幸福は与えられるのではなく、努力してつかむもの。サンタクロースは待っていても、やって来ません。
★「利用者にとって、もっとよい支援方法はないだろうか」とあくなき探求心を持ち続け、日常的に支援員同士がざっくばらんに話し合えるチームワークを高めること。風通しのよい職場をつくること。
★「いちょうの会で働いてよかった」
と職員のみなさんが心の底から思える ような法人になること。1日でも長く、
元気に、楽しく働いてもらいたいと思います
 
IBM「社員を大事にする」ということ
★稲盛和夫著「京セラフィロソフィ」 p377 より
IBMの社是には「社員を大事にする」というものがあるそうです。確かに、アメリカの会社でありながら、IBMには日本と同じように長く勤める人が多いと聞きます。
IBMの社是の説明に次のような たとえ話が出てくるそうです。

ある北国の湖の畔に、心優しい老人が住んでいました。湖には毎年、野ガモの群れが飛んできて、冬を過ごします。優しい老人はいつとはなしに、湖に集まる野ガモたちに餌を与えるようになりました。野ガモは水辺に寄ってきては老人がくれる餌を喜んで食べていました。来る年も来る年も老人は餌をやり続け、野ガモもその老人からもらう餌を越冬の糧とするようになりました。
ある年もまた、野ガモの群れがその湖にやってきました。いつものように餌をもらいに水辺に寄ってきますが、老人はいつまでたっても現われません。毎日、水辺に寄って行っては待ち続けるのですが、やはり老人は現われません。老人は、すでに亡くなっていたのです。
その年、寒波が襲来し、湖が凍結してしまいました。老人が現われるのをひたすら待ち続け、自分たちで餌を捕ることを忘れてしまった野ガモたちは、やがて皆餓死してしまったのです。

「IBMではこのような社員の育て方は しません」と書かれているそうです。
強靭で柔軟な組織になるためには、構成員が自主性・自発性を持った自立した人間の集合体であることが肝要だと思います。
残念ながら、野ガモは、「心優しい」老人の親切心から、自力で餌を取ることを忘れてしまいました。 上記の話を支援や支援員と利用者の関係に置き換えるとどうなるでしょうか?
真の自立支援、真の愛情、やさしさとは 何でしょうか?
 
 
今月の一言
「ありがとう」と「すみません」
「すみません」ではなく、「ありがとう」
と言えるように心がける。~虹Sさん
※人から親切にされたとき、「すみません」
と言うよりも「ありがとう」の方が 強く感謝の気持ちが伝わると思います。
 
 
社会福祉法人八王子いちょうの会
 理事長 山川 徹
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